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ラズベリー・パイは、とても小さくて安いコンピューターですが、色んなことができますよ。例えば、音楽プレイヤーやラジオ、監視カメラやロボットなどを作ることができます。それに、パソコンとしても使えます。
ラズベリーパイの遊び方は、まず必要なものを揃えて、OSをインストールします。それから、自分のやりたいことに合わせてプログラムを書いたり、部品をつなげたりします。プログラムはPythonやScratchなどの言語で書けます。
ラズベリーパイは、自分のアイディアと予算しだいでいろいろなおもちゃや機械を作成できるんです。
あなたは何を作ってみたいですか?
ラズベリー・パイとは
ラズベリー・パイ(ラズパイ)とは、小さくて安いコンピューターのことです。学校でコンピューターの勉強をするために作られましたが、趣味や仕事でも使えます。
ラズパイは、マイコンボードのように小さくて平らな形をしています。色々な部品がついていて、それぞれに役割があります。例えば、USBポートやHDMIポートは、キーボードやモニターなどをつなぐところです。
ラズパイには、色々な種類がありますが、最新のものはラズパイ4bという名前で、4つのUSBポートと2つのHDMIポートがあります。ラズパイ4bは約8.6cm×5.7cm×1.7cmで、重さは約45gです。
ラズパイは、マウスやキーボード、モニターなどをつなげて使います。WindowsやMacとは違うOS(操作方法)が入っています。色んなことができるようにプログラミングをすることもできます。
ラズパイのGPIOには、たくさんのピンがあります。ピンとは、小さな金属の棒のようなもので、電気を流したり流れを止めたりすることができます。
GPIOでできることは、外部の機器を接続してプログラムで制御することです。例えば、LEDやモーターなどをつないで光ったり動いたりさせたり、スイッチやセンサーなどをつないで押したり感じたりしたことを表示できます。
GPIOを使うには、プログラムが必要です。プログラムとは、コンピューターに命令する言葉のようなものです。プログラムには色々な種類がありますが、小学生でも簡単に使えるものにScratchというものがあります。Scratchでは、ブロックを組み合わせてゲームやアニメーションを作ることができます。Scratchでは、GPIOを操作してLEDを点滅させることもできます。
実際に小学生で、上から降ってくる敵をよけるゲームを、LEDとスイッチを使って作った例があります。
ラズパイに必要なOSとは
ラズパイにはキーボードやマウス、ディスプレイを接続して操作します。OSはキーボードなどを使えるようにしてくれます。
OSはコンピュータの頭脳のようなもので、キーボードなどのハードウェア(キーボードなど)やソフトウェア(機械を動かすプログラム)とやりとりして、ラズパイができることを決めます。例えば、ラズパイにはGPIO端子という小さなピンがありますが、これを使ってLEDを光らしたりモーターなどを動かすことができます。これは、ラズパイのOS(とソフトウェア)からGPIO端子を使ってLEDやモーターに「光れ」とか「回れ」という命令を出しているのです。だから、ラズパイにはOSが必要なのです。
Raspberry Pi OSとは
Raspberry Pi OSは、LinuxというOSの一種で、無料で使えます。Raspberry Pi OSは、ラズパイのハードウェアやソフトウェアをうまく動かすことができるように作られています。Raspberry Pi OSを使うと、ラズパイでいろいろなことができます。例えば、インターネットを見たり、ゲームをしたり、プログラミングをしたりすることができます。
Raspberry Pi OSをインストールしよう
ラズパイは、パソコンと違って、本体にストレージが付いていません。ストレージとは、データやプログラムを保存する場所のことです。パソコンでは、ハードディスクやSSDというものがストレージになっています。しかし、ラズパイでは、microSDカードがストレージになっています。
microSDカードにRaspberry Pi OSを入れて、ラズパイ本体に差し込むことで、ラズパイが使えるようになります。もしmicroSDカードにRaspberry Pi OSを入れなければ、ラズパイは何もできません。
Raspberry Pi Imagerを使おう
パソコンに「Raspberry Pi Imager」というソフトウェアをインストールして、microSDカードにRaspberry Pi OSを書き込みます。その後、microSDカードをラズパイに差し込んで起動します。
パソコンとラズパイの関係は、こんな感じです。
Raspberry Pi Imagerとは
- Raspberry Pi Imagerは、Raspberry Pi OSを簡単にmicroSDカードにインストールできるアプリです。
- Raspberry Pi Imagerは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)という見やすい画面で操作できます。
- OSのダウンロードとインストールが一度にできるので、時間と手間が省けます。
- WindowsやMacやLinuxなどのパソコンで使えます。
- OSの最新版を自動的に選んでくれるので、安心して使えます。
注意しないといけないこととは
- Raspberry Pi Imagerを使うと、microSDカードに保存したデータが消えてしまいます。大切なデータはバックアップしておきましょう。
- microSDカードに十分な容量があるか確認しましょう。8GBあれば動作すると言われていますが、16GB以上あれば安心です。
- パソコンにはmicroSDを差し込むカードリーダーが必要です。
ここではWindowsのPC(パソコン)を使用して、Raspberry Pi Imagerにより、Raspberry Pi OSのイメージをmicroSDに書き込む方法を説明します。
Raspberry Pi Imagerのインストール
まず、WindowsのPCで「Raspberry Pi Imager」(Imager)を使えるようにします。それを「インストール」といいます。
インストーラをこちらのURLからダウンロードしましょう。
インストーラとは、ソフトを使えるように準備してくれるソフトのことです。インストールという作業を簡単にしてくれます。インストーラはパソコンのお手伝いさんみたいなもので、Imagerのインストールを助けてくれます。
ダウンロードされたインストーラをダブルクリックして起動します。
Imagerのインストーラが起動されると、下の画面が表示されるので、[Install]をクリックします。
途中、インストールの進捗状況が表示されます。
下の画面でインストール完了です。[Finish]をクリックします。
①Windowsロゴ(田)キーを押して、②検索窓から”ras”と入力すると、③「Raspberry Pi Imager」が表示されるでしょう。「Raspberry Pi Imager」をクリックして起動します。
下の画面が表示されたら、[OSを選ぶ]をクリックします。
[Raspberry Pi OS(other)]を選択します。 [Raspberry Pi OS(64-bit)]を選択します。ここで、PCのカードリーダにmicroSDカードを挿入します。
差し込まれているmicroSDカードが表示されるので、それを選択します。
いよいよ、microSDカードにRaspberry Pi OSを書き込みます。
[書き込む]をクリックします。
microSDカードの中身はすべて消えてしまいます。かわりに、Raspberry Pi OSが入ります。
[はい]をクリック。
microSDカードへの書き込みが始まります。
「書き込みが正常に終了しました」と表示されたら成功です。
microSDカードを抜きとります。
[続ける]をクリック。
これでRaspberry Pi OSの入ったmicroSDカードの作成が完了です。
Imagerの右上の[×]をクリックして、Imagerを終了します。
ラズパイ起動の準備をしよう
- OSを書き込んだmicroSDカードをラズパイに挿入します。
- HDMIポートにディスプレイを接続します。
- キーボードとマウスを取り付けます。
USBのコードがついているものはUSBポートに差し込みます。 - LANケーブルを接続します。
- 最後に電源ケーブルを電源端子に接続します。
電源を接続すると、OSの起動が始まります。
コードのついていないキーボードやマウスを使えるようにするには
ラズパイはBluetoothでキーボードやマウスを接続することができます。
Bluetoothとは、近くにあるデバイス(機器)が、お友達となって話すための特別な方法です。
お友達同士で話すためには、まず仲良くならないといけませんよね?それがペアリングです。そして、お友達同士で声を出して話すのではなくて、目で見えない信号を送り合って話します。それが無線通信です。このようにして、Bluetoothでは近くにある機器がお友達になって話せるようになります。
だからキーボードなどをBluetoothでつなげるときは、まずデバイス同士をペアリング(仲良くする)という操作をします。ペアリングすると、デバイスはお互いに信号(電波)を送り合って通信します。
Bluetoothの通信に料金は不要です。
はじめてラズパイを起動したときには
はじめてラズパイを起動すると下の画面が表示されます。
[Next]をクリックします。
どこに住んでいるかをラズパイに教えてあげよう
Coutry(国)を[Japan]、Language(ことば)を[Japanese]、Timezoneを[Tokyo]に設定し、[Next]をクリックします。
タイムゾーン(Timezone)って何だろう?
タイムゾーンとは、地球上の時間の区分のことです。
地球は一日に一回、コマのように自分で回っています。そのため、同じ時刻でも、場所によって太陽の位置が違います。例えば、日本では昼間ですが、アメリカでは夜間です。
そこで、地球を24個の区域に分けて、それぞれに異なる時間を設定しました。これがタイムゾーンです。タイムゾーンは主に経度に沿って決められています。
なぜラズパイでタイムゾーンを設定するかというと、ラズパイの中では時計を持っていて、時計の時刻が自分のいる場所と合っているようにするためです。
ラズパイは、ネットを通して世界中の人々とつながることができます。そのため、ラズパイの時刻が正しくないと、トラブルや不便が起こることがあります。
例えば、ラズパイと海外に旅行したときに、ラズパイの時刻を変えなかったらどうなるでしょうか?日本と違う時間帯にいるのに、ラズパイは日本時間を表示しています。すると、予定していた工作機械の動作がずれてしまったり、ウェブサイトやアプリが正しく動かなかったりする可能性があります。
そこで、ラズパイでタイムゾーンを設定することで、自分のいる場所に合わせて時刻を調整するのです。
使う人の名前を教えてあげよう
ラズパイではユーザー名と言って、ラズパイを使う人の名前を区別します。
1つのラズパイを家族みんなで好きに使うことができます。ユーザー名は、自分と他の人と区別したり、自分のデータや設定を守ったりするために必要です。
そのため、自分で好きなユーザー名とパスワード(合言葉)を設定することができます。これは安全に使うために大切なことです。パスワードはナイショにしておきましょう。
ユーザ名とパスワード(2回同じパスワード)を入力します。
[Next]をクリックします。
画面を調整しよう
画面の隅に、なぞの黒いすじのようなものが表示されることがあるようです。その場合はスライドボタンで、表示されないように調整してみてください。
[Next]をクリックします。
Wi-Fiの設定をしよう
Wi-Fiは、「ワイファイ」と読みます。
Wi-Fiとは、パソコンやスマホなどの機器を無線でインターネットにつなげる技術のことです。
Wi-Fiは、電波を使ってデータをやり取りするので、ケーブルがいらないし、自由に動き回れます。でも、電波は遠くまでは届かないので、ラズパイを家の外に持っていくと、ネットにつながらなくなります。
みなさんの家にはWi-Fiルーターというものがありますか?Wi-Fiルーターは、インターネットにつながる箱です。箱には名前があります。その名前がSSIDです。
インターネットにつなぐためには、箱の名前と合言葉(パスワード)が必要です。このパスワードはさっき設定したユーザー名のパスワードと違うので、注意してください。ご両親にSSIDとパスワードを聞いて確認しましょう。
Wi-Fiの設定を行います。SSIDの一覧から選択して[Next]をクリック。
パスワードを入力して[Next]をクリック。
Wi-Fiに接続中画面が表示され、接続が完了すると次の画面に遷移します。
ソフトウェアのアップデートをしよう
次の画面ではソフトウェアのアップデートを行います。
[Next]をクリックします。
アップデートが正常終了すると、以下の画面が表示されるので、[OK]をクリックします。
次の画面が表示されたら、ラズパイの初期設定完了です。
Raspberry Pi OSを最新にしよう
Raspberry Pi OSは、Raspberry Piを動かすためのおまじないのようなものです。おまじないには色々な種類があります。
パッケージは、おまじないの一つ一つに名前がついたものです。パッケージを使うと、Raspberry Piで色々なことができるようになります。
パッケージは、インターネットから探してダウンロードすることができます。ダウンロードしたら、Raspberry Piに入れて使えるようにします。これが前にも出てきたインストールです。
インストールしたパッケージは、Raspberry Pi OSの一部になります。パッケージを増やすと、Raspberry Pi OSも豊かになってできることが増えます。
ここでは、最初から入っているパッケージを最新にアップデートします。
画面の上にある端末アイコンから端末を起動します。
この端末は、ラズパイとお話しするための画面です。端末では、絵や音声ではなく、文字だけでコンピュータに伝えたり聞いたりします。
端末でラズパイに伝えることをコマンドと言います。コマンドは特別な言葉や記号を使って端末に書きます。キーボードでコマンドを書いてエンターを押すと、コンピュータがそれに応じて動きます。
端末は、絵がない分難しそうに見えますが、慣れると色々なことができるようになります。例えば、ファイルを移動したり削除したりすることができます。
端末にはプロンプトといって、端末でラズパイとお話しするための場所があります。プロンプトは端末の画面に出てくる印みたいなものです。ラズパイの端末では「$」という形をしています。
プロンプトはコマンドを入力する前に必ず出てきます。もし出てこない場合は、端末が忙しいのかもしれません。
それではパッケージをアップデートするため、次のコマンドを入力します。
sudo apt update
下の図のように、アップグレードできるパッケージがある場合は、パッケージを最新に更新できます。
次のコマンドを端末で実行するとパッケージは更新されます。
sudo apt -y upgrade
プロンプトが表示されたら、アップグレードは完了です。
ラズパイを終了するには
スイッチなどのゲームでは終わりに電源を切りますが、ラズパイではシャットダウンしてから電源を切ります。シャットダウンというのは、ラズパイにおやすみしてあげることです。シャットダウンすると、ラズパイは今までやっていたことを覚えてくれて、次に起動した時にもう一度始められます。
シャットダウンしないで電源を切ると、ラズパイは今までやっていたことを忘れてしまうかもしれません。それだと、次に起動した時に困ってしまいますよね。だから、シャットダウンしてから電源を切るのが大切です。
シャットダウンは[ラズベリーアイコン]をクリックして表示されるメニューの[ログアウト]をクリックします。
表示された「Shutdown options」ダイアローグから[Shutdown]をクリックします。
ラズパイでは自動的に電源OFFにはなりません。ディスプレイの表示が消えてしばらくしてから、コンセントを抜くなどして電源を切ります。
よくがんばった!
ラズパイで遊んで
色々なことを学んだね
ラズパイは小さくても
大きな可能性があるよ
君のアイデアや工夫次第で
何でもできるようになるよ
ラズパイで作ったものは
君の宝物だから
大切にしてね
誇りに思ってね
ラズパイは君の友達だから
これからも一緒に遊んでね
新しいことに挑戦してね
夢を叶えてね
ラズパイを楽しんだみんなに
エールを送ります
君はすごいよ
君は素敵だよ