MacOS 11 Big SurのVMware仮想マシンを、ISOイメージファイルから構築する方法とは

最新記事の紹介

以下の記事リンクは、本記事をもとに加筆・修正した最新の記事です。より簡単にBig Surを導入できる方法を紹介しています。よければどうぞ。

動画での紹介もあります。こちらもよければどうぞ。

はじめに

Macをお持ちの方でも、仮想環境のMacが欲しいと思うことがあります。実験的なことを行いたいが、失敗するとMac環境を壊してしまう、あるいは多様なソフトをインストールしたいが実環境は汚したくない、などのケースです。そのような場合、VMwareでMac環境を構築するのも選択肢の一つです。

macOS Big Sur は、MacOS 11として約20年ぶりにメジャーバージョンアップしたMacのオペレーティングシステムです。

ダウンロードしたBig SurをISOイメージに変換する

仮想マシンを構築するためのインストール元となるISOイメージを作成しておきます。
MacでBig Surをダウンロードし、ISOイメージに変換しますが、その手順は省略します。

VMwareをインストールする

VMware(R) Workstation 16 Playerのバージョン16をインストールします。本稿の執筆時点でのバージョンは16.1.0です。

ここでは、VMware(R) Workstation 16 Playerのインストール手順の説明を省略し、インストール後を前提として説明します。

パッチツールをインストールする

パッチツールとは、VMware PlayerがMac OSの仮想マシンを実行できるようにするツールです。
ここからダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルを解凍します。

Windowsの場合

解凍されたファイルのうち、「win-install.cmd」ファイルと「gettools.exe」ファイルを実行します。
「win-install.cmd」 を右クリックして、[管理者として実行]を選択します。
同様に、 「gettools.exe」ファイルも [管理者として実行]を選択して実行します

Linuxの場合

コマンドラインからスーパーユーザで、「lnx-install.sh」を実行します。続いてPythonで「gettools.py」を実行します。

新しい仮想マシンを構築する

VMware Workstation 16 Playerを起動し、以下の流れを実行します。

無償で利用する場合は[このバージョンをスキップ]をクリックします。
ISO形式のBig Surインストールイメージをインストール元に指定します。
ここでは仮想マシン名を「macOS 11.0」としました。
ディスク最大サイズは環境に応じて決定ください。

ホストマシンのリソースに応じたメモリとプロセッサを割り当てます。わたしはここで、ホストマシンの2分の1程度のメモリとCPUを割り当てました。
また、USB2.0を指定しておかないと、キーボードやマウスの入力ができなくなることがあるようでした。

ここで一旦、終了します。まだMacOSを起動しないでください。

VMXファイルを編集する

Windowsの場合

Documents\Virtual Machines\macOS 11.0に移動し、エディタでmacOS 11.0.vmxを編集します。
以下の行を追加。

smc.version = "0"
keyboard.vusb.enable = "TRUE"
keyboard.vusb.idVendor = "0x0000"
keyboard.vusb.idProduct = "0x0000"

Linuxの場合

$HOME/vmware/ などの場所に仮想環境が保存されているでしょう。
‘macOS 11.0’ などの仮想マシン名のディレクトリに「macOS 11.0.vmx」など[仮想マシン名].vmx ファイルがあるので、上記同様エディタで編集します。

編集した行の意味

VMwareで実行可能とする。
smc.version = “0”

キーボードの設定を有効化し、JISキーボードを使えるようにする。USキーボードを使用する場合は不要と思われる。
keyboard.vusb.enable = “TRUE”
keyboard.vusb.idVendor = “0x0000”
keyboard.vusb.idProduct = “0x0000”

(その他覚書)

ビデオメモリの容量変更
以下の数値を調整する。
svga.vramSize = 134217728

virtualHW.versionの値を変更
virtualHW.version = “10”

MacOSのインストールと設定

ここで再度、VMware Workstation 16 Playerを起動し、Big Surのインストールと設定を行います。

ここはわかりにくいところかもしれません。
おおまかに、①ディスクユーティリティで空のインストールメディアを作成、②OSをインストール という手順になります。
まず、[ディスクユーティリティ]をクリックし[続ける]。

空のドライブを作成するため、
①[VMware Virtual SATA Hard Drive Media]を選択
②[消去]をクリック
します。

名称はデフォルトの「名称未設定」のままでかまいません。私は「appledisk」としました。
[消去]をクリックします。

最上部の[ディスクユーティリティ]メニューから[ディスクユーティリティを終了]。

以降は画面の表示に従って設定を行います。詳細の手順は省略します。

MacOS 11 Big Surが起動した画面です。

VMware Toolsのインストール方法とは

VMware Tools は、仮想マシンのゲスト オペレーティング システム(ここではmacOS)に様々な便利な機能を提供し、またパフォーマンスを強化するとされている、ユーティリティ一(ツール)の集まりです。たとえば、仮想マシンをフルスクリーン表示したい場合などに必須のツールとなります。

以下ではVMware Toolsのインストール手順を、図を中心に説明します。

VMware Toolsのインストールには仮想マシンのCD/DVDをマウントするため、現在マウントされているメディアを取り出します。

フルスクリーンモードで使用できるようになりました。

最後に

VirtualBoxの上でmacOS Big Surを試してみたい方は以下の記事を参考にしてみてください。