本物のUnix使いはIDEを使わない
エディタは当然、viを使う。IDEは子供のおもちゃと笑い飛ばして本気で使わない。GUIを使わないでCUIですべての仕事を成し遂げる。たとえGUI画面であっても、マウスを使わず、キーボードのみでショートカットを駆使して、ものすごいスピードでキーボードを叩いているのはUnix使いの可能性が高い。
本物のUnix使いは基本、小文字だけを使う。会話にも小文字だけを使うのはUnix使いだ。Unix使いの日常会話には頻繁に、「grepする」「diffをとる」という言葉が使用される。
道に迷ったとき、「ここはどこ?」と言わずに、小さい声で「pwd」とささやくのはUnix使いだ。
本物のUnix使いは、お酒を飲みすぎて気持ちが悪くなっている人を見て「core dumped」とつぶやく。
本物のUnix使いは、気になる女性の手に触れようとして睨まれたら、おもわず「Permission denied」と言ってしまう。
Unixに夢中になってしまい、人が話しかけても何も聞かないで、”/dev/null”にリダイレクトしているのは末期的なUnix使いだ。
本物のUnix使いは、100万ライン規模の巨大プロジェクトを、小さなツールを組み合わせて実現しようとする。ふつうプログラマは一つの関数で一つのことをやらせるが、Unix使いは一つのコマンドで一つのことをやらせようとする。
ドキュメントを書く前に、プログラムを書いて、散々プログラムを改良した後に覚書として申し訳程度のドキュメントを書くのがUnix使いだ。プログラムの仕様をユーザに承認を得るのは、ドキュメントで承認を得るのではなく、動くプログラムで承認を得る。最初にユーザが動くプログラムを見るのはたいてい、要件定義の途中のころで、すでにプログラムの骨格は出来上がっていることが多い。
Unix使いはたいてい、WindowsやLinux上で、無償でMacOS Ⅹを走らせる方法を何通りか知っている。なのに、MacBook Proを使っている。
本物のUnix使いは密かに、bashで書いたOSを走らせたいと思っている。