本稿では、LibreOffice で本番試験と同じ文字数の原稿用紙を作成する方法を紹介します。
1行25文字×16行の原稿用紙を無料で作成するには
情報処理技術者試験の高度区分には、論文記述の試験があります。試験本番は手書きの論文を作成しますが、論文準備をするにあたり、ワープロで論文を作成したい場合があります。特に準備論文の構想の段階では文章を追加したり、修正したりすることが多いからです。情報処理技術者試験では、400字詰(1行25文字×16行)という特殊な原稿用紙が用いられています。練習時に本番と同じ原稿用紙があると、何文字記述しているかが分かりやすく便利です。
LibreOfficeはWordやExcel、Power Pointと互換性があるといわれる文書作成ソフトウェアです。無料で入手可能です。Windows,Mac,Linuxで動作することも魅力です。
原稿用紙完成版をダウンロードしよう
次のリンクから、原稿用紙完成版をダウンロードできるようにしました。以下の手順で作成できるものと同じ、LibreOfficeの文書ファイルです。
LibreOfficeのインストールしよう
以下のURLにアクセスし、ダウンロードとインストールを行います。下図はWindows10/11、64ビット版での例です。
https://ja.libreoffice.org/download/download/
LibreOffice Writerを起動します。
400字詰(25字×16行)の原稿用紙を作成しよう
Writerのメニューバーから、[書式]>[ページスタイル]を選択します。
「ページスタイル」ウインドウが表示されます。①[行数と文字数]タブを選択します。②[行数と文字数指定(方眼線)]を選択します。ここで[1行の文字数]③を「25」に変更したいのですが、[1行の文字数]は④(1-24)の範囲しか入力できません。
そこで、下の図のように⑤[1文字の最大サイズ]を20.00ptから19.25ptあたりまで小さくします。すると、③[行単位の文字数]が25となり、選択幅が(1-24)から(1-25)④に変わるでしょう。
[1ページの行数]に「16」を、[行単位の文字数]に「25」を入力し、[OK]をクリックします。このままでは、段落内の文章が次のページにまたがってしまう場合に、改ページ位置を自動的に調整する機能が働いて、次ページに文章が配置されてしまいます。ページの末尾にブランクの行ができてしまうのです。これを回避します。
[書式]>[段落の書式]をクリックします。
まず[体裁]タブを選択します。次に①[改ページ前の行数]と[改ページ後の行数]のチェックを外し、②[OK]をクリックします。
これで図のように25×16、400字詰めの原稿用紙が完成です。
本番に用いられる原稿用紙はB5横ですが、今回作成した原稿用紙はA4縦です。上下に不要な余白があり、見栄えが良いとは言えません。準備論文作成ツールとして私はこれで十分ですが、もし見栄えが気になる方はさらに整えてみてはいかがでしょうか。
MS Wordでもできるか?
「Microsoft OfficeのWord 2019」から、[原稿用紙設定]を使用した場合、25字×16行には出来ないようでした(何か方法があるのかもしれませんが…)。
また、上記LibreOfficeで作成したファイル(odt形式)をWordに読み込ませてみました。25字×16行の書式が継承されることを期待しましたが、書式が消滅してしまうようでした。