LED素子が余っているが仕様がわからない場合に、およその仕様(順電圧:VF)を調べる方法を紹介します。ブレッドボード上に回路を組んでテスターで調べます。
調査対象のLEDとは
今回、調査対象となる赤色LED(写真)は素子にマークや刻印が全くありません。このLEDのおよその仕様を、計測によって明らかにします。
まず「あたり」をつけるには
LEDに電流を流しすぎると、瞬時に壊れます。そこで、計測するにあたってどの程度の電流までなら流せるのか、あたりをつけることが重要です。
外見は「赤色LED」です。LEDの胴回りの直径を図ると5mmでした。仕様のあたりをつけるためWebで調べてみます。
LEDを点灯させるために必要な電流は順方向電流(順電流:IF)と呼ばれ、LEDの種類によって異なりますが、10mAから20mAの範囲でした。同様に順電圧(VF)は1.9Vから2.1Vの幅でした。
計測をするには控えめの数値を選定します。まずは、10mA程度の電流を流して計測します。
計測するための回路とは
まず電源ですが、安定化電源などという立派なものを保有していないので、今回は使っていない19.5VのACアダプタ電源を使います。さきほど、順電圧の幅が1.9Vから2.1V程度と確認しているので、5V程度の電源でも十分です。
電源の仕様は以下の通りです。
負荷抵抗に使用する抵抗値を概算で計算します。電源は19.5V、電流を10mA程度にしたいので、オームの法則により次のように計算します。
R = V / I = 19.5[V] / 10[mA] =19.5 * 1000 /10 = 1950[Ω]
実際はLEDの抵抗もあるので、約2KΩの抵抗であれば問題なさそうです。
負荷抵抗を考慮すると、下の図になります。
ブレッドボードで結線した例が下の写真です。
ACアダプタの電源をブレッドボードにひくためには、ブレッドボード用の専用アタッチメントが販売されていますが、持っていないので、ここではクリップを使用しています。ACアダプタのプラス口(内側)にクリップを差し込み、マイナスの外側には大型のクリップを接触させています。それぞれのクリップにリード線を接続し、ブレッドボードに配線しました。
今回の実験では、ここでLEDが点灯しました。そこでこのまま、抵抗にかかっている電圧をテスターで計測します。回路図ではVRの部分の電圧です。
約17.7Vでした。ただし、テスターでの電圧の表示が安定せず、絶えず変化していました。電源があまり安定していないのかもしれません。誤差が大きめの可能性があります。
電源19.5Vとの差を求めます。
19.5 ー 17.7 = 1.8[V]
上記1.8VがおよそのLEDの順電圧(VF)値です。誤差があるので、もしかすると1.9V仕様のLEDかもしれません。
これでVFのおよその値がわかりました。