電子工作の入門に適した便利グッズとは

初心者の方が電子工作を始めてみようと思ったときに、揃えたら便利なグッズを紹介します。

電子部品を効率よくそろえるには

Raspberry Pi(ラズパイ)やArduinoを活用する電子工作は、それぞれの入門キットを購入するのがおすすめです。なぜなら、必要になった部品を個別に調達するのは手間ですし、書籍などでは購入する際はコスパを考慮してまとめ買いをすることが推奨されていますが、どんな種類のものを、どれくらいの量、購入すればよいか想像できないからです。もう一つの理由は、入門者用の書籍を購入して工作を始める場合、入門キットが1セットあれば、必要な部品がそろってしまうことが多いからです。
一方で、工作したいターゲットと必要な素子が決まっているのであれば、個別に調達することにコストメリットがあるといえます。

ラズパイ用入門キットの一例

ラズパイかArduinoのどちらかの入門キットを購入すれば、両方の電子工作に活用できることが多いでしょう。なぜなら使用するものがほぼ、共通しているからです。
初めから、ラズパイとArduino両方で電子工作してみたいと思っている方は、Arduinoの入門キットのほうを購入すると、個別にArduinoを購入する手間が省けます。入門キットにArduinoの本体が含まれているケースが多いからです。純正のArduinoではありませんが、まったく同じ仕様で製造されていることが多いです。ラズパイは比較的高価なので、ほとんどの入門キットに含まれていません。

Arduino用入門キットの一例

余談ですが、外国製の入門キットを購入すると、手引書(チュートリアル)がダウンロードできることが多いです。日本語版がなかったり、あっても不自然な日本語だったりしますが、内容的にはよく書けていて参考になるものがあります。購入時にレビューなどを参考にするとよいでしょう。

上記に挙げたような入門キットではなく、一般的な電子工作部品としてよく使われているものをまとめて販売しているものもあります。

一般的な工作キットの一例

上記のまとめとして、筆者が実際に購入して試したものを、参考例として紹介します。2023年8月5日時点で販売されてるものです。品質は高くありませんが、壊れていたり、入っていないといったことはありませんでした。素子の数量は重量計測をしているものもあるようで、その場合、±1個程度の数量誤差が生じるようです。

入門カテゴリメーカ商品名とリンク
ラズパイ用Freenoveアルティメットスターター キット
Arduino用ELEGOO 最終版スタータキット
一般的な工作用ANMBEST1500点電子部品DIY品揃えキット

部品を仕分けして格納するには

使用した部品はほとんどが再利用可能です。部品を仕分けして保管する方法を紹介します。

上の写真は抵抗を仕分けしています。100円ショップでは写真のような収納用ボックスが販売されています。ラベルはテプラを使用しました。写真のものは蓋つきなので、万一落下してもふたをしてあれば散乱しません。

上記の方法以外に、チャック付きのビニール袋にマジックなどでラベルを手書きして保管する方法もあります。

電源を確保するには

電源は写真のようなAC/DCアダプタが便利です。Amazon等で中国のいろんなメーカから販売されています。Arduinoの電源にも使用可能です。しかし、新しめのラズパイには使用できません。なぜなら、この電源の最大電流が2Aで、ラズパイ4Bの推奨は3.5Aのため、電流量が足りないからです。

この電源の最大の特徴は電圧を3Vから12Vまで7段階変更できることです。写真の回転スイッチを回して電圧を指定します。スイッチを回すために専用工具が付属していますが、ドライバも代用できます。

もう一つの特徴は差込口のアダプタが8個付属することです。そのうちの一つは、リードコードを接続できるので、工作には地味に便利です。写真のネジを緩めてリードを差し込み、ネジで固定します。

わかってくるとほしくなるテスター

テスターは導通(線がつながっているか)をチェックしたり、電圧や電流の計測に使用します。「電気」がわかってくると欲しくなることが多いといえます。最初から高価なものは必要ないでしょう。下の記事を参考にしてみてください。

特に便利なFNIRST DSO-TC3

DSO-TC3はオシロスコープ機能を持ったデジタルマルチメータ(DMM)です。特に、素子の種類を自動判別して表示する機能が便利です。
電子工作では、多くの種類の抵抗やコンデンサ、ダイオード、トランジスタなどを組み合わせることがほとんどです。たいてい、素子を仕分けしておいて間違えないようにしますが、たまに確認したくなることがあります。たとえば、抵抗が220Ωなのか330Ωなのか、といった具合です。その場合、素子のカラーコードや文字などを読んで確認するのですが、このテスターがあると素子の識別に便利です。テスターの差込口に素子の足を挟み込むだけで、素子種類や仕様に近い値を自動的に判別して表示してくれるからです。
写真の例では抵抗(Resistor)であることと、その値を表示しているところです。220Ωと表示されています。

今度はトランジスタ(S8550 D331)を試します。

PNP型トランジスタと識別され、エミッタ、ベース、コレクタの配置が表示されました。hFEやIcなどが表示されていますが、精度までは未確認です。

DSO-TC3は特に、実験後に素子を片付ける際に機械的に仕分けて片付けができるところが便利かもしれません。

さいごに

電子工作を始めてみるにあたっての、便利グッズを紹介しました。ぜひこれらを活用して電子工作をお楽しみください!