PCSX2 手取り足取り

本稿では、PS2のゲームエミュレータ「PCSX2」を導入する方法を詳しく紹介します。
なお、改訂最新版は以下の記事をご覧ください。

本稿で使用した検証用ハードウェア

マウスコンピュータ製、LM-iHS310S-S5は、CPUにCore i5-6400を搭載したスリム型デスクトップパソコンです。中古ショップの「わけあり」コーナーで7千円でした。
PCの仕様は次の通りです。

CPU
Core i5-6400
グラフィックカード
AMD Raadeon RX550(2千円の中古を増設)
ハードディスク/SSD
元々120GBのSSDを搭載していましたが、加えて480GBのSSDを増設済みです。
メモリ
8GB

ゲームパッドは「Logicool Gamepad F310」「SCUF SG402-02」を使用します。 

F310ゲームパッド
Logicool Gamepad F310
SCUF SG402-02

PCSX2でゲームをするために必要なもの

本稿の手順に従ってゲームをするために、あらかじめ用意しておかなければならないものがあります。これらの取得方法については、本記事では紹介していません。

BIOSPS2のゲーム機から取得したBIOS
ゲームソフトゲームROMから取得したゲーム用イメージファイル。

PCSX2のインストールと設定

PCSX2をインストールしよう

PCSX2の公式ページから、PCSX2をダウンロードします。本稿執筆時点(22年12月29日)では、図のようにStable Releases(安定版)よりもLatest Nightly(最新の開発版)が推奨されているので、環境に合ったものをクリックしてPCSX2をダウンロードします。

ここでは、Windows 64ビット版のPCSX2をインストールします。
ダウンロードしたファイルは”7z”形式の圧縮ファイルなので、「7z」などで解凍します。解凍したファイルはフォルダごとわかりやすい場所に移動するとよいでしょう。ここでは、”C:\Opt\Games”の下に移動します。
その際には、フォルダ名を短めの名称にリネームすることをお勧めします。ここでは、”pcsx2-v1.7″というフォルダ名にしました。

フォルダの中の、PCSX2の実行ファイルをダブルクリックして、起動します。

下の画面が表示されれば、ひとまず正常に起動されています。
DuckStationとユーザインタフェースが統一されたようです。開発版では日本語化がまだ未サポートのため英語版で使用します。英語版でも難しくないので、ご安心ください。

ここで、あらかじめ吸い出しておいたゲームソフトのファイル(ISO形式)を任意のフォルダに格納しておきます。
下の画面で[Add Game Directory]をクリックします。ゲームソフトのイメージファイルが格納されているフォルダを指定します。

ゲームの一覧が表示されました。

グリッドアイコンをクリックすると、下のような表示形式に変更されます。ゲームごとに、カバー画像を張り付けることができます。

PCSX2に必要な設定とは

BIOSを配置するには

あらかじめ用意していたBIOSファイルを指定します。
BIOSを格納するフォルダは、PCSX2が格納されているフォルダの下の”bios”フォルダです。
BIOSを格納するフォルダを確認するには、PCSX2の画面上部のメニューバーから、[Settings]>[BIOS]をクリックします。

下の画面で、デフォルトのBIOSを格納する場所を確認できます。また、格納場所を変更することもできます。

本稿では、”C:\Opt\Games\pcsx2-v1.7″にPCSX2を配置しました。
その場合、”C:\Opt\Games\pcsx2-v1.7\bios”にBIOSを格納します。

グラフィックスの設定をするには

グラフィック関連の設定を行うには、[Settings]>[Graphics]をクリックします。

ここは、PCスペックに応じた固有の設定を行うところです。
本稿での検証用PCは、GPU Radeon RX 550を搭載しています。そこで、以下の設定を施しました。

① Graphicsが選択されていることを確認します。
②「Renderer」:Direct3D 12(Hardware)
③「Adapter」:AMD Radeon RX 550
④[Rendering]タブを選択します。
⑤「Internal Resolution」:3xNative(~1080p)

上記⑤はゲームを動かしてみて、もし重かったら別の選択肢を検討しますが、まずは、この設定で試してみます。

上記以外はいったん、デフォルトのままとしました。

ゲームパッドを設定せるには

ゲームパッドの設定を行います。
[Settings]>[Controllers]から設定を開きます。

左ペインのタブから認識されているゲームパッド(ここでは「DualShock 2」)を選択し、画面のボタンとゲームパッドのボタンを一つずつ対応付けていきます。具体的には、画面のL1ボタンをクリックし、ゲームパッド(SCUFなど)のL1ボタンを押す、という具合です。

ゲームを始めてみよう

ゲームを始める方法は、PCSX2のゲーム一覧をダブルクリックするだけです。

ゲームを起動することができました。

チートコードを活用するには

チートコード(改造コード)とは、ゲームを有利に進めるためにゲーム(のデータ)を書き換える裏技のようなものです。HPを無限にするといったことが可能になります。チートコードはWEBで検索し、エミュレータに読み込ませる必要があります。

ゲームの名称+”チート”などの検索ワードで検索すると、チートコードが見つかることがあります。これらのチートコードは「PS2PARコード」と呼ばれているものがほとんどで、それをPCSX2に読ませるためには変換する必要があります。
変換を行うには、こちらのサイトなどを活用するとよいでしょう。

変換後のチートコードを配置する方法とは

チートコードの格納場所を確認します。
PCSX2の[Settings]>[Folders]をクリックして設定画面を開きます。

下の画面の「Cheats Directory」にあるフォルダがチートコードを置く場所です。フォルダのパスをコピーし、エクスプローラでそのフォルダを開いておきます。

①PCSX2のゲーム一覧をリスト表示にします。
②一覧のゲームの中から、チートを適用したいゲームを見つけ、「Code」カラムの文字列をメモします。今回の対象を「BioHazard 4」とすると、”SLPM-66213″となります。

「BioHazard 4」のゲームを起動します。
起動後に、[F1]キーを押すと画面のようにステートセーブが行われます。

次にステートセーブのデータが保存されたフォルダを確認します。
[Settings]>[Folders]の画面の、「Save States Directory」がその場所です。

エクスプローラで上記のフォルダを開いて、あらかじめメモした「BioHazard 4」の”SLPM-66213″と合致するファイルを探します。ここでは、3つのファイルが見つかりました。

上図の、括弧でくくられた文字列をメモします。例えば、
“SLPM-66213 (60FA8C69).01.p2s”
というファイル名だったとすると、括弧の中の”60FA8C69″の部分をメモします。

次に、チートコードを格納するフォルダに移り、メモした文字列を使用して、”60FA8C69.txt”というファイルを作成します。

この時点ではファイルの中身が空なので、チートコードの変換後のコードをコピペして書き込みます。

最後に、テキストファイルのサフィックス(TXT)を”pnach”に変更します。
“60FA8C69.txt”が、”60FA8C69.pnach”というファイル名になりました。

チートを有効にしよう

[Settings]>[Emulation]から設定を開きます。

[Enable Cheats]にチェックを入れます。これでリアルタイムにチートが有効になります。

ゲームを起動中の場合は下のように、チートが有効になったことを伝えるメッセージが表示されます。

チートが有効になったことにより、リッチで最強の主人公がプレイヤーのパートナーになりました。

おわりに

いくつかのゲームを試してみましたが、今回の検証環境に使った中古PC上でのエミュレータPCSX2の動作は、問題ないといえそうです。
ゲームプレイ中はかなりGPUの負荷が高くなり、2000円で購入したグラフィックボードのRadeon RX 550は良い仕事をしてくれています。

PCSX2のUIがバージョン1.7では大きく変更されました。DuckStationに統一される方向なのでしょうか?
DuckStationのように、チートコードが自動でダウンロードされるようになると非常に便利なのですが、はたして?