12年前のPCのWindows 11を23H2にアップデートするには

  • 23年10月31日(現地時間)にWindows 11の大型アップデートである23H2が配信されるようになりました
  • Windows 11のシステム要件に適合していないPCでWindows 11 22H2等が動作している場合、23H2への自動更新は行われません
  • システム要件を回避して22H2にアップデートする簡単な方法を紹介します

はじめに

Windows 11をサポートされていないPCに、すでにWindows 11 22H2などがインストールされている状態で、23H2にアップデートする方法を紹介します。
年次大型アップデートである23H2は、サポート対象外の旧型PCからは通常の手順でアップデートすることができません。そのようなPCに対して、本記事の手順通りに行えば最新のWindows 11へのアップデートが簡単にできます。

ご注意ください

本稿で紹介する方法は公式な手順ではありません。一部のPCでWindows11を実行できない可能性があります。

検証環境

検証を行った日付は23年11月4日です。
検証に使用したPCの仕様は以下の通りです。

発売2011年10月
メーカーSONY
製品名VAIO VPCCB39FJ(ノートPC)
CPUインテル Core i5-2430M(第2世代)
BIOSの種類レガシーBIOS(非UEFI)
メモリーPC3-10600 8GB(4GB ×2)
GPUインテル HD グラフィックス 3000
ディスプレイ15.5型ワイド(16:9)、解像度:WXGA 1366×768
ストレージSSD 約500GB(HDDから換装)

Windowsのバージョン(アップデート前)

まず最初に、Windows 11の現在のバージョンを確認します。
[Windowsキー(田)]+[R]を押して「ファイル名を指定して実行」画面を開き、「winver」と入力し、[Enter]を押します。

Windows 11のバージョンは22H2であることがわかります。これを23H2にアップデートします。

設定画面の[システム]>[バージョン情報]でも同様の確認ができます。

Windows 11を最新にアップデートしよう

ブータブルUSBを作成しよう

Rufusを入手するには

Rufusとは、起動可能(ブータブル)なUSBメモリを作成するためのフリーソフトです。Windows以外にも、各種LinuxディストリビューションやBSD系OS、DOSなど、幅広いOSをサポートしています。Rufusは、OSのISOイメージファイルをUSBメモリへ書き込んでインストールメディアを作成することができます。Rufusは、メディアを作成するスピードが、他のソフトと比較して速いと言われているようです。

Rufusを使用するには、公式サイトからダウンロードし、実行ファイルを起動します。インストールは不要です。

USBメモリを用意しよう

Rufusを用いて、起動可能なWindows 11インストーラを作成します。インストーラはUSBに格納します。Windows 11のISOのサイズは5GBを超えます。したがって、USBメモリの容量は8GB以上のものを準備します。

Windows 11をダウンロードするには

Rufusを起動します。
①「ドライブ プロパティ」領域の「ブートの種類」右の[▼]ボタンをクリックし、[選択]から[ダウンロード]に変更します。次に[ダウンロード]をクリックすると「ISOイメージのダウンロード」画面がポップアップ表示されます。
②「バージョン」のプルダウンメニューから[Windows 11]を選択します。
③[続ける]をクリックします。

「リリース」が追加されるので、23H2を選択して[続ける]をクリックします。

「エディション」が追加されるので、確認して[続ける]をクリックします。

「言語」が追加されるので、[日本語]等を選択して[続ける]をクリックします。

「アーキテクチャ」が追加されるので、確認して[ダウンロード]をクリックします。

「ダウンロード」等のフォルダに
Win11_23H2_Japanese_x64.iso といったファイル名で格納されるでしょう。

Windows 11のインストールUSBを作成するには

①USBメモリをPCのUSBスロットに挿入します。
②[▼]ボタンで[ダウンロード]から[選択]に変更し、[選択]をクリックします。続いて、ダウンロード済みWindows 11のISOファイルを選択します。
③「ブートの種類」に正しくWindows 11のISOファイル名が表示されていることを確認します。
④パーティション構成が[GPT]か、[MBR]かを選択します。GPTはUEFIシステムでのみブート可能で、MBRはBIOSシステムでのみブート可能です。今回の記事で使用したPCはBIOSですが、アップデートの場合はGPT/MBRどちらを選択してもOKです。USBから起動してOSを新規インストールする場合は、本記事のVAIOの場合、MBRにする必要があります。
⑤[スタート]ボタンをクリックします。

次の画面が表示されます。
①ハードウェア要件を回避するためにチェックを入れます。
②Microsoftアカウントによるログインを回避します。
③ローカルのアカウントを作成します。初回ログインの際にパスワードの設定画面が表示されます。
④「日本の東京」などのロケーションをRufusを起動したPCと同じに設定します。
⑤スペックの低めの旧型PCなので、少しでも軽くするためにデータ収集を無効にします。

必ずチェックが必要な項目は①です。旧型PCでは①をチェックしないと、Windows 11の要件に抵触してアップデートできません。
②~⑤は効率的にインストールができるように、セットアップ画面をスキップするための項目です。すべてチェックすると最速でセットアップが完了します。ご自身の判断でチェックの有無を判断していただいて構いません。

USBメモリの中身は完全に消去されます。続けるには[OK]をクリックします。

USBインストーラの作成が完了するのを待ちます。

インストーラを実行しよう

USBを挿入して以下の画面を開き、setup.exeをダブルクリックしてセットアップを起動します。

しばらく、以下の画面が表示されます。

以下のセットアップ画面で[次へ]をクリック。

ライセンス条項に[同意する]をクリック。

しばらく待ちます。

「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」にチェックされていることを確認して[インストール]をクリック。

以下の画面が表示されるので、しばらく待ちます。

何度か再起動が行われたのち、インストールが終了します。

アップデート後にWindowsのバージョンを確認するには

Windowsキー(田)を押してスタートメニューを開き、「winver」と入力し、[Enter]を押します。

以下のように、Windows 11は23H2にアップデートされました。

同様に設定画面からも確認できます。
スタートメニューから「設定」を起動します。
続いて[システム]>[バージョン情報]を選択します。

バージョンが23H2であることが確認できました。

さいごに

自己責任になりますが、古めのPCで最新のWindowsを試してみたいと思う方は、ぜひトライしてみてください。