Windows 11を10年以上前のPCにインストールするには

Windows 11製品版をインストールまたはアップグレードしたい方は、次の記事もご参照ください。

はじめに

この記事は、Windows 11製品版がリリースされる前の情報です。最新の情報は上の記事をご参照ください。

本稿では、旧式のPCにWindows 11をインストールして楽しみたい!という方のために、Windows 11をサポートされていないPCにインストールする方法を紹介します。

Windows 11のISOは公開されたものの…

Windows Insider Preview Downloadsで公開されているWindows 11のISOを使用してインストールしようと試みても、PCのシステム要件に阻まれてインストーラは中断してしまいます。
このような旧式PCにWindows 11をインストールできるようにするにはどうすればよいか、というのが本稿のテーマです。

ご注意ください

本稿で紹介する方法は公式な手順ではありません。一部のPCでWindows11を実行できない場合があります。また「Windows Insider Program」は十分な品質が確保されていない場合があります。そのため、重大なトラブルが発生する可能性があるため、あくまでも自己責任で試用してみてください。

本稿の前提

本稿では「Windows Insider Program」に参加されている方向けに記事を作成しています。

検証環境

本稿を執筆するにあたって検証を行った日付は2021年9月13日です。
検証に使用したPCは「DELL Inspiron モデルDCSLF」です。2010年ごろ発売されたモデルです。CPUは「Intel(R) Core(TM) i5 CPU 650」を搭載しています。

作業のおおまかな流れ

  1. Windows 11 InsiderのISOイメージを入手します。
  2. Windows 10 InsiderのISOをダウンロードしてUSBに書き込みます。
  3. Windows 11のISOイメージから特定のファイルをWindows 10用USBにコピーします。これにより、Windows10のUSBを11のインストーラに変身させます。
  4. USBを使って10から11にアップグレードします。あるいは、新規インストールしても構いません。

Windows 11のISOイメージを入手しよう

MicrosoftからWindows 11のISOイメージが提供されています。
まず、 Windows Insider Preview Downloadsにアクセスします。次に画面右上のプロフィールアイコンからサインインします。ここでサインインする際は「Windows Insider Program」に紐づけられた「Microsoft アカウント」が必要です。

サインイン後、下のほうにスクロールすると「Select edition」と表示されたプルダウンメニューがあるので、Windows 11のものを選択します。私は下の図の通り選択しました。選択したら[Confirm]をクリックします。

次の画面の、「Select product language」で[Japanese]を選択し、[Confirm]をクリックします。

[64-bit Download]をクリックし、ISOイメージファイルを保存します。

Windows 11のISOファイルをマウントしよう

ISOファイルをマウントします。エクスプローラからISOファイルを右クリックし、コンテキストメニューから[マウント]をクリックします。

Windows 11のISOファイルがマウントされました。

Windows 10 Insiderをダウンロードしよう

上記と同様の手順で、Windows Insider Preview Downloadsから、Windows 10 InsiderのISOを入手します。

USBメモリに書き込もう

ここでは、起動可能なUSBメモリの作成ツールとして「Rufus」を使用します。
ダウンロードしたISOをUSBメモリに書き込みます。
Rufusを起動したら、[パーティション構成]を選択します。インストール対象のPCのBIOSが「UEFI」の場合、パーティション構成に「GPT」を選択し、古くからあるBIOS(レガシ)の場合は「MBR」を選択します。

BIOSが「レガシ」の場合の例を示します。

Windows 11のインストーラに作り変えよう

上記でUSBに書き込んだ、Windows 10のインストーラ(以降USBといいます)を11のインストーラに作り変えます。

USBドライブをファイルエクスプローラで参照し、「sources」フォルダに移動します。ここで「install.wim」というファイルを探します。

「install.wim」 が見つかったら、あらかじめこのファイルをバックアップしておくとよいでしょう。

次に、Windows 11のISOをマウントしたフォルダの「sources」下に「install.wim」 があるかを確認します。

「install.wim」 を見つけたら、それをWindows 11のsourcesフォルダからUSBのsourcesフォルダにコピーします。

以上で、Windows 11のインストーラが完成です。

インストールを実行しよう

USBから起動してWindows 11のクリーンインストールが行えます。
また、Windows 10からUSBのsetup.exeを起動し、アップグレードを行うこともできます。

さいごに

「Windows Insider Program」 に参加していない方にも、Windows 11のインストーラを作成する秘策があります。具体的には下の記事を参考にしてみてください。

自己責任にはなりますが、古めのPCを活かしてWindows 11を試してみたい方は、ぜひトライしてみてください。