Windows 11製品版をインストールまたはアップグレードしたい方は、次の記事もご参照ください。
はじめに
この記事は、Windows 11製品版がリリースされる前の情報です。最新の情報は上の記事をご参照ください。
禁断の低スペックPCにインストール
デスクトップPC、「DELL Inspiron 530s」は、2009年頃に発売されたWindows Vistaが動作するモデルです。中古で2千円ほどでした。
本稿では、上記PCへのWindows 11のインストールに挑戦してみました。
PCのスペック
PCのスペックは以下の通りです。
「Dell™ Inspiron™ 530s シリーズ オーナーズマニュアル」から抜粋しました。
プロセッサ | Intel® Core™2 Duo プロセッサ E7400 @ 2.80GHz |
メモリ | DDR2 SDRAM(667/800 MHz) スロット数4 |
最大搭載メモリ容量 | 4 GB |
チップセット | G33/ICH9 |
Windows 11の要件
Windows 11のシステム最小要件と530sの適合状況が下の表です。
Windows11のシステム最小要件 | 530sでの対応 | |
プロセッサ | 1GHz以上で2コア以上の64BitプロセッサまたはSoC 。 Intel CPUは第8世代Core (Coffee Lake)以降(一部第7世代も可)。 | × 第1世代Core |
RAM | 4GB | 〇 現在2GB。最大4GBまで増設可 |
ストレージ空き容量 | ストレージが64GB以上であること | 〇 |
グラフィックスカード | DirectX 12以上(WDDM2.0ドライバー) | ? Intel HDグラフィックス |
システム ファームウェア | UEFI・セキュアブート必須 | × 未対応 |
TPM | バージョン2.0必要 | × 未対応 |
上記の通り、530sではWindows 11の必須要件を満たしていないので、このままではインストールできません。そこで、少し特殊な方法でインストーラを作成しますが、それは後述します。
スペックを超えるメモリを増設してみる
まず、ハードウェア構成を見直します。
メモリは購入時2GB(1GBx2)でした。メモリスロットは2個余っています。スペックで上限の4GBに増設することは可能ですが、4GBでは不足気味になることが予測できます。
そこで、余ったDDR2のメモリがないか漁ってみると4GB(2GBx2)のものがありました。試しに6GBに増設してみます。スペック上の上限は4GBとマニュアルに記載されています。しかし経験上スペックを上回るメモリが増設できることはよくあることです。
はたして、6GBを認識することができました。
ストレージをSSDにするべきか
まずはHDDで試してみることにします。Windows 11が動作することを検証したうえで、検討することにしました。
いよいよWindows 11をインストールしてみる
上記のスペックのPCには通常の手順でWindows 11をインストールすることができません。
現在、Microsoft公式の「Windows Insider Preview Downloads」から「Windows Insider Program」に参加している「Microsoft アカウント」でログインすることにより、Windows 11のISOがダウンロード可能です。しかし、このISOからインストールしようとすると、システム要件がチェックされ、要件に合致しないPCの場合はインストールが停止してしまいます。
そこで、要件に適合しないPCにインストールするためには、システム要件のチェックを回避するインストーラを作成する必要があります。
具体的なWindows 11のインストーラ作成手順は、以下の記事を参考にしてみてください。
Windows Insider Programに参加していない方はこちら
記事では、Windows 10から11にアップグレードしていますが、今回は新規インストールします。
Windows Insider Programに参加している方はこちら
Windows 11が動いた!
さっそくインストーラを作成し、新規インストールしてみました。インストール時間は計測してませんが、かなり時間がかかっていたと思います。
Core2DuoのDELL 530sでWindows 11は動作しました。
システムの起動時間はログイン画面まで約40秒、パスワードを入力してから実際使えるようになるまでが1分少々といったところでしょうか。
Chromeブラウザをインストールしてみましたが、初期起動時間が約40秒でした。やはり起動中はCPU使用率が100%を推移します。
WebのブラウジングやYouTubeによる動画鑑賞などは比較的快適に動作しています。もっと、もたつくと予想していましたが、実用範囲といえます。
この記事は、530sのWindows 11上で作成しましたが、特にストレスなく作成できました。
総合的には「意外と使える」という印象です。
Windows 11が優秀なのだと思います。
最後に
インストールされたWindows 11はライセンス認証しなくても、「個人用設定」以外のすべての機能が使用できます。動作検証を行う分には十分でしょう。
一方このまま、Windows 11の使用を続ける場合はライセンス認証することをお勧めします。