Windows 11を非サポートPCにインストールする方法とは

Windows 11製品版をインストールまたはアップグレードしたい方は、次の記事をご参照ください。

はじめに

この記事は、Windows 11製品版がリリースされる前の情報です。最新の情報は上の記事をご参照ください。

現在、Insider Programで公開されているWindows 11をサポートされていないPCにインストールする方法を紹介します。

ご注意ください

本稿で紹介する方法は公式な手順ではありません。一部のPCでWindows11を実行できない場合があります。

検証環境

検証を行った日付は21年7月15日です。
検証に使用したPCの仕様は以下の通りです。

メーカーSONY
製品名VAIO VPCCB39FJ(ノートPC)
CPUインテル Core i5-2430M(第2世代)
BIOSの種類レガシーBIOS(非UEFI)
メモリーPC3-10600 8GB(4GB ×2)
GPUインテル HD グラフィックス 3000
ディスプレイ15.5型ワイド(16:9)、解像度:WXGA 1366×768
ストレージSSD 約500GB(HDDから換装)

通常のインストールでどうなるか

現時点ではWindows 11をインストールするためにはWindows Insider Program「Devチャネル」に参加する必要があります。そこで、Insider Programにに移行しようとすると、「お使いのPCは、Windows 11の最小ハードウェア要件を満たしていません。」と表示されます。

この状態でもCPUが第7世代以上ならDevチャネルに参加できることがあります。しかし今回の検証機はCPUが第2世代なので、以下のようにDevチャネルが選択肢に現れません。

このようなPCにWindows 11をインストールできるようにするにはどうすればよいか、というのが本稿のテーマです。

おおまかな流れ

  1. 特別な方法でWindows 11 InsiderのISOイメージを作成します。
  2. Windows 10 InsiderのISOをダウンロードしてUSBに書き込みます。
  3. Windows 11のISOイメージから特定のファイルをWindows 10用USBにコピーします。これにより、Windows10のUSBを11のインストーラに変身させます。
  4. USBを使って10から11にアップグレードします。あるいは、新規インストールしても構いません。

BIOSモードを確認しよう

  1. Windowsマークをクリックしてスタートメニューを開き、「sys」と入力します。
  2. 「システム情報」をクリックします。
  3. システム情報画面の右ペインの項目カラムから、「BIOSモード」の値を確認します。今回の検証機では「レガシ」でした。

Windows 11のISOイメージを作成しよう

現時点で、MicrosoftはWindows 11のISOイメージを提供していません。そこで、「UUP Dump」により作成します。

UUP Dumpのリンクにアクセスし、[Dev Channel]をクリックします。

Devチャネルで提供されるプログラムが一覧で表示されます。私は、累積的更新プログラムを避けて「Windows 11 Insider Preview 10.0.22000.65 (co_release) amd64」をダウンロードしてみました。Architectureは「X64」のものを選択します。

次の画面で、LanguageにJapaneseを選択します。

インストーラをWindows HomeとPro両方に対応させたいので、2か所にチェックします。

[Create download package]をクリックしてダウンロードします。

ダウンロードされたファイルはZIP形式です。これ自体が、ISOイメージを作成するためのファイルをダウンロードするためのダウンローダーです。解凍すると次のようなフォルダが作成されるので、Windowsであれば「uup_download_windows.cmd」を実行します。このバッチを実行することにより、ダウンロードが行われ、ISOイメージのファイルが作成されます。

途中でコマンドプロンプトの色が変わりますが、そのまま完了を待ちます。

下のように表示されたら完了です。
「0」を入力してコマンドプロンプトを閉じます。

============================================================
Removing temporary files . . .
============================================================

Press 0 to exit.

作成されたISOファイルをマウントします。

Windows 10 Insiderをダウンロードしよう

Windows 10 InsiderのISOを入手します。
Insider Programに参加している方はこちらのURLからダウンロードするのが早いでしょう。
前述のUUP Dumpを使用してWindows 10 InsiderのISOを作成することもできます。

USBメモリに書き込もう

ダウンロードしたISOをUSBメモリに書き込みます。ここで、「システム情報」で確認した「BIOSモード」が「レガシ」の場合、パーティション構成「MBR」を選択します。一方、「BIOSモード」が「UEFI」の場合、パーティション構成「GPT」を選択します。

Rufusで書き込む際の、「BIOSモード」が「レガシ」の場合の例を示します。

Windows 11のインストーラに作り変えよう

先ほどUSBに書き込んだ、Windows 10のインストーラ(以降USBといいます)を11のインストーラに作り変えます。

USBドライブをファイルエクスプローラで参照し、「sources」フォルダに移動します。ここで「install.wim」もしくは「install.esd」というファイルを探します。今回の場合、「install.wim」が見つかりました。

次に、Windows 11のISOをマウントしたフォルダの「sources」下に上記と同じファイル名があるかを確認します。

同じファイル名がある場合、そのファイルをWindows 11のsourcesフォルダからUSBのsourcesフォルダにコピーします。

同じファイル名がない、すなわち、Windows 11の方がinstall.esdでUSBの方がinstall.wimの場合、Windows 11のinstall.esdファイルをinstall.wimファイルに変換しないといけないようです。

本稿ではその手順が検証できなかったので、省略します。

インストーラを実行しよう

アップグレードの場合

検証環境のVAIOでは可能な限りドライバをそのまま使用したかったので、アップグレードしました。インストーラから「setup.exe」を実施し、指示に従うだけです。
非常に時間がかかりましたが、問題なくWindows 11がインストールされました。

クリーンインストールの場合

こちらは、VAIOではなく、CPUがcore-i7の第3世代のPCで検証してみました。

USBドライブから起動し、通常のWindowsのインストール手順に従って行い、こちらも問題なくインストールすることができました。

さいごに

Windows 11の品質はまだこれから高められるのだと思います。
それでも、自己責任になりますが、いち早く古めのPCで試してみたいと思う方は、ぜひトライしてみてください。