VirtualBox上に構築したLinuxサーバにGuest Additionsをインストールする方法を紹介します。
CUI環境のLinuxサーバーにVirtualBox Guest Additionsをインストールするには、GUIがない分、すべてコマンドラインで進める必要があります。
以下は Ubuntu 24.04LTS を例にしていますが、他のディストリビューションでも概ね同様の手順といえます。
Guest Additionsとは
VirtualBox Guest Additionsをインストールすると、仮想マシン(ゲストOS)の操作性と統合性が大幅に向上します。特に開発や検証環境での作業が格段に快適になります。
🌟 主な機能一覧
以下に共有フォルダでの
機能 | 説明 | サーバーでの可否 |
---|---|---|
共有フォルダ | ホストOSとゲストOS間でファイルを簡単にやり取りできます。 | 〇 |
クリップボード共有 | コピー&ペーストがホストとゲスト間でシームレスに行えます(双方向対応)。 | × |
ドラッグ&ドロップ | ファイルをホスト↔ゲスト間でドラッグ&ドロップ可能(設定により有効化)。 | × |
マウス統合 | マウスカーソルがホストとゲスト間でスムーズに移動。キャプチャ不要になります。 | × |
画面解像度の自動調整 | ゲストOSの画面サイズがウィンドウサイズに自動でフィットします。 | × |
シームレスモード | ゲストOSのウィンドウをホストOSのデスクトップに溶け込ませる表示が可能。 | × |
時刻同期 | ホストOSとゲストOSのシステム時刻を自動で同期します。 | 〇 |
自動ログイン | ゲストOSへのログインを自動化できます(セキュリティに注意)。 | × |
Guest Additionsをインストールするには
🛠 必要なパッケージのインストール
まずはビルドに必要なパッケージをインストールします:
sudo apt update sudo apt install -y build-essential dkms linux-headers-$(uname -r) bzip2
💿 Guest Additions ISOのマウント

VirtualBoxのメニューから「デバイス」→「Guest Additions CDイメージの挿入」を選択します。
続いて、ゲストOS内で以下のようにマウントします。
sudo mkdir /mnt/cdrom sudo mount /dev/cdrom /mnt/cdrom
📦 Guest Additionsのインストール
マウントされたCD-ROMのディレクトリ(フォルダ)に移り、Linux専用インストーラを実行します。
cd /mnt/cdrom sudo ./VBoxLinuxAdditions.run
途中で「X.Orgが見つからない」などの警告が出ることがありますが、CUI環境では無視してOKです。
🔁 再起動と確認
sudo reboot
再起動後、以下のコマンドでモジュールが読み込まれているか確認できます。
$ はプロンプトです。入力したコマンドと実行結果の表示を示します。
$ lsmod | grep vboxguest
vboxguest 57344 3 vboxsf
この手順で、CUI環境でもGuest Additionsの機能(共有フォルダや時刻同期)が有効になります。ただし、GUI関連の機能(解像度変更など)は使えません。