メモリ4GBの古いノートPCにwindows 11をインストールしてファミコンゲームで遊ぶには

中古で入手したノートPC「Lenovo ideapad 120S-11IAP Winbook」(以降、Winbook)にWindows 11をインストールし、ファミコンのゲームソフトを遊べるようにする方法を紹介します。

はじめに

WinbookはCPUにIntel Celeron N3350を搭載し、メモリは4GB、SSDは128GBのノートPCです。詳細のスペックは上の写真をクリックし、LenovoのHPでご確認ください。
上記CPUは、Windows 11の公式対応プロセッサリストには含まれていません。
この非力といえるPCにWindows 11をインストールし、エミュレータでファミリーコンピューターのゲームが遊べるようにします。

数あるゲーム機の中でファミリーコンピュータを選択した理由は、エミュレータによるゲーム動作が比較的軽快と思われるためです。スペックが低めのWinbookでぎりぎり動作可能と判断しました。
ファミコンエミュレータの中で選択したエミュレータは、互換性と再現性が高いとされている「Nestopa UE」です。

Windows 11は「重い」OSなので、Winbook環境では「軽い」Linux系のOSの方が適しているかもしれません。しかし、本稿ではあえてノートPCで最も活用されているWindowsに挑戦してみます。

事前に用意するものとは

  1. USBメモリ
    8GB以上のモノを用意します。Windowsのインストーラを作成します。
  2. ゲームパッド
    キーボードでも遊べますが、ファミコンの操作感を再現するために、USB接続のゲームパッドを用意すると便利です。
  3. ファミコンのゲームROM
    自分が所有しているゲームカートリッジから合法的に吸い出したROMデータを使用してください。
  4. PCの基本環境
    本稿ではWinbookにWindows 11をクリーンインストールします。NestopiaはWindows 11で動作します。一般的には十分なスペック(特にCPUとメモリ)があると快適に動作します。しかし本稿ではあえて、ぎりぎりの環境でエミュレータの検証をします。

Windows 11のインストーラを作成するには

インストーラを作成するにはRufusというツールが便利です。
Windows 11の公式要件(TPM 2.0、Secure Boot、特定のCPUなど)を満たさないPCでも、Rufusを使えばインストールが可能です。これにより、まだ十分に動作する古いPCを廃棄せずに、ゲームマシンとして再利用できます

上のスクリーンショットをクリックすると、Rufusのダウンロードページが表示されます。筆者は64bit標準タイプ「rufus-4.6.exe」をダウンロードしました。
インストールは不要で、そのままダブルクリックで実行可能です。

①[▼]をクリック。
②[ダウンロード]を選択。
③[選択]ボタンの表示が[ダウンロード]に変更されるので、押すと下の画面に遷移します。

「Windows 11」であることを確認し、[続ける]を押します。

リリースを選択し、[続ける]。

Windowsのエディションを選択し、[続ける]。

言語を[日本語]にし、[続ける]。

アーキテクチャはWinbookの場合、[x64]。
[ダウンロード]を押します。

①ダウンロードするファイル名を確認します。
②保存するフォルダを確認します。
③[保存]を押してダウンロードを開始します。

ダウンロードが開始されました。
ダウンロードが完了したら、インストーラの作成に移ります。

①ダウンロード後のISOファイルを指定します。
②Winbookでは[GPT]を選択します。
③[スタート]を押します。

筆者は上の設定でインストーラをカスタムしました。
決まったローカルアカウント名を指定する場合は、赤枠のチェックをつけてアカウント名を指定します。
筆者はアカウント名を固定したくなかったので、チェックしませんでした。

USBメモリのデータが消えてしまっても問題なければ、[OK]を押します。

USBメモリへのインストーラの書き込みが完了したら「準備完了」と表示されます。[閉じる]を押します。

Windows 11をインストールする手順とは

USBメモリをWinbookに挿入し、USBメモリからインストーラを起動します。
Winbookの場合、上の「Boot Menu」を表示するには、起動直後に[F12]キーを「トントントン…」と繰り返し押します。

インストーラが正常に起動されると、上の画面を表示したのち、下の画面に遷移します。

[次へ]。

[次へ]。

「I agree …」にチェックして[次へ]。

[同意する]。

WinbookのSSDドライブの空き容量を確保するため、パーティションの削除を繰り返し行い、未割り当て領域を確保します。
①割り当て済み領域を指定
②パーティションの削除
①②を削除できる領域が無くなるまで、繰り返し行います。

[インストール]を押します。

上の画面に進捗が表示されるので、完了を待ちます。

再起動後、上の画面に遷移します。USBのインストーラが起動されてしまった場合は、USBを抜いてPCの電源ボタンから再起動します。

ここでネットワークへの接続を行います。

Wi-Fiのパスワードを入力します。

Wi-Fiへの接続が完了したら[次へ]。

お好みのデバイス名を入力します。「デバイス名」とは、あなたのコンピューターを識別するための名前です。このデバイス名は、ネットワーク上でPCを区別したり、特定のデバイスに接続したりする際に使用されます。
一例をあげると、Bluetooth接続を行うときに、自分のPCを他のデバイスと区別しやすくなります。

上の画面でかなりの時間、待ちます。
画面ではWindows 11の機能が次々紹介されます。

マイクロソフトのアカウントを使用せず、ローカルアカウントにログインするには

上の画面が表示されたら、通常はマイクロソフト(MS)のアカウントにサインインします。
本稿では、MSのアカウントを使用せず、ローカルアカウントにログインする方法を紹介します。
有線のLANに接続されている場合はここでLANケーブルを抜けばローカルアカウントの設定画面に遷移できます。しかし、本稿ではWinbookをWi-Fiに接続しているので、Wi-Fiを強制的に切断する必要があります。
そこで、[Shift]+[F10]キーを押すことにより、Wi-Fiの設定画面を表示します。

[Shift]+[F10]というコンビネーションキーは、インストーラ実行中に使用すると、通常では管理者モードのコマンドプロンプトが起動されます。しかし、上のサインイン画面ではWi-Fi画面を表示することができます。
しかし、筆者の環境では原因がよくわかりませんが、下のようなメッセージが表示されました。

[←]をクリックすると、下の画面に遷移しました。

[Wi-Fi マーク]をクリックしてネットワークをOFFにします。

ネットワークを遮断した状態で[サインイン]をクリックします。

ローカルアカウントの設定画面が表示されました。
サインインに使用する名前を入力します。

上記の画面でパスワードを入力します。続いて、「秘密の質問」を入力する画面が続きます。

「こんにちは。」の後に上の画面に遷移します。

ここでもしばらく待ちます。

これでWindows 11のインストールが完了です。

Wi-Fiを再接続するには

インストールの途中でWi-Fiを切断したので、改めて接続します。
①地球マークをクリック。
②[Wi-Fiマーク]をクリックしてONに。

[>]をクリック。

Wi-Fiを接続します。

[接続]ボタンを押します。接続後に、上のように[切断]ボタンが表示されます。

USキーボードから日本語キーボードに変更するには

筆者の環境では、[@]キーを押すと”[“が表示され、USキーボードの設定になっていました。その場合は次の手順で、日本語キーボード設定に変更します。

[時刻と言語]>[言語と地域]に遷移します。

「日本語」の[…]ボタンをクリックし、[言語のオプション]を選択。

キーボードの「キーボードレイアウト」で[レイアウトを変更する]を押します。

[英語キーボード]になっているので、[日本語キーボード]を選択します。
さいごに[今すぐ再起動する]を押します。

ファミコンのゲームで遊べるようにするには

エミュレータをダウンロードして設定する方法はほぼ、上の記事の通りです。
変更したのは、ビデオのフィルタのみです。「xBR]だと重く感じられたので、「2xSaI」に変更しました。

上の画面の通り、ゲームで遊ぶことができました。

上はタスクマネージャの画面ですが、ゲーム実行中はほぼ、CPUが100%に張り付いていました。

アクションゲームではどうでしょうか?

アクションゲームでも問題なく遊べました。しかし、ファミコンの性能の限界を追求したシューティングゲームやアクションゲームなどでは、遅延を感じるかもしれません。

さいごに

旧型の低スペックPCをWindows 11で動作するゲームマシンに仕立てる手順を紹介しました。
本当にぎりぎり遊べるレベルと評価できると思います。
皆さんも、古いPCを有効活用して、エミュレータで遊んでみてはいかがでしょうか?