Lakkaは現在最も多くのゲームが遊べるゲームエミュレーター専用のLinuxディストリビューションです。本記事ではLakkaのインストール方法を紹介します。
Lakkaとは
エミュ使いであれば、一度はLakkaを使ってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか?
Lakkaは、ゲームエミュレーター専用のLinuxディストリビューションであり、RetroArchとlibretroの公式Linuxディストリビューションです。以下に、LakkaをPCにインストールしてゲームマシンにする際のメリットを、中華ゲーム機との比較も交えて説明します。
Lakkaで得られるメリットとは
要求スペックの高いゲームがサクサク遊べる
LakkaをPCにインストールすることで、ハードウェアの性能を最大限に活用できます。中華ゲーム機よりも高い性能を持つPCを使用できるため、エミュレーションの快適さやグラフィックの品質が向上します。現時点の中華ゲーム機では再現が困難なゲームを、よりハイスペックなPCを選択することによって快適に遊ぶことができるようになるのです。
ゲームの対応機種が多い
Lakkaは多くのゲームシステムをサポートしています。中華ゲーム機も多くのゲームをエミュレートできますが、Lakkaはさらに幅広いゲーム機に対応しています。例えば、アーケードゲーム機や家庭用ゲーム機のほとんどがLakkaでプレイ可能です。
こちらの公式ページでは、サポートしているハードウェアの一覧が公表されています。この情報によると、現時点のLakkaではPS2やPS3などのゲーム機向けゲームを遊ぶことはできないようです。PCSX2、RPCS3といったスタンドアロン型のエミュレータを個別にインストールする必要があるようです。
無償
Lakkaは無償で手に入れることができます。ただし、PCやゲームのソフトは別途入手している必要があります。
カスタマイズの自由度が高い
ユーザーは自分好みに設定を調整し、新しいエミュレーターコアを追加できます。
使いやすいコントローラーを選べる
PCにLakkaをインストールする場合、お好みのゲームパッドを接続できます。中華ゲーム機は内蔵されたコントローラーを使用するため、外部のゲームパッドを接続できない場合もあります。
ゲームデータの管理がラク
PCにLakkaをインストールすることで、ROMデータを簡単に管理できます。中華ゲーム機でも同様にROMを追加できますが、PCのほうが操作性やファイル管理の利便性が高いです。
人気はBatoceraか
Lakka以外にも、レトロゲーム愛好家向けのLinuxディストリビューションがあります。BatoceraやRecalboxなどです。使いやすさと人気ではBatoceraがリードしている印象です。中華ゲーム機のOSにも採用されています。
まとめ
総括すると、LakkaをPCにインストールすることで、性能、対応機種、カスタマイズ性、コントローラーの選択肢、ゲームデータの管理などの面で中華ゲーム機よりもメリットを享受できます。ただし、自分の好みや用途、費用に合った選択を検討することをお勧めします。
インストールの概要
ライブUSBから起動する方法と内蔵ドライブにインストールする方法、どっちが良い?
LakkaはライブUSBから起動する方法と、PCのSSDやHDDにインストールする方法が選択できます。
- ライブUSBから起動する方法:
- メリット:
- 簡単なセットアップ: USBメモリにLakkaを書き込むだけで、内蔵ストレージへの変更はありません。USBメモリから起動することにより、すぐにLakkaを試すことができます。
- ポータビリティ: 他のPCでも同じUSBメモリを使ってLakkaを起動できます。複数のPCからゲームマシン候補を選ぶ際に便利です。
- 外付けドライブへのアクセス: ROMが格納された外付けドライブにアクセスできます。
- デメリット:
- パフォーマンスの制限: USBメモリの速度に依存するため、一部のゲームでパフォーマンスが低下する可能性があります。
- 一時的な設定: 毎回起動するたびに設定を行う必要があります。
- メリット:
- 内蔵ドライブへのインストール:
- メリット:
- 高速なパフォーマンス: SSDにインストールすることで、ゲームの読み込み速度が向上します。
- 恒久的な設定: 一度設定すれば、再起動しても設定が保持されます。
- デメリット:
- セットアップがやや複雑: ハードディスクへのインストールにはいくつか手順が必要です。
- メリット:
どちらの方法を選ぶかは、皆さんのゲームの楽しみ方と好みによりますが、ライブUSBは手軽に試すことができ、内蔵ドライブへのインストールはパフォーマンスや利便性を重視する方に適しています。
インストールの大まかな流れ
本稿ではPCの内蔵ドライブにLakkaをインストールする方法を紹介します。
Lakkaのイメージファイルをダウンロードして、USBに書き込みます。これでライブUSBを兼ねたインストーラの作成が完了です。
次にUSBからインストーラを起動し、PCへのインストールを行います。
最後にゲームが起動できることを確認します。
LakkaのイメージをUSBに書込もう

こちらのリンクからダウンロードページに移動します。
上の図の[Download Lakka for 64 bits CPU]をクリックしてダウンロードします。本稿執筆時点でのダウンロードファイル名は以下の通りです。
Lakka-Generic.x86_64-4.3.img.gz
上記ファイルは圧縮されているため、解凍します。

エクスプローラからダウンロード済みのファイルを、マウスで右クリックし、[すべて展開]を選択し、次の画面で[展開]を押します。
展開後のIMGファイルを”Etcher”あるいは”Rufus”を使用して、USBメモリに書込みます。
下の画面はRufusでの書き込み例です。

さあ!インストールを始めよう
いよいよインストールを開始します。
USBから起動するには
USBメモリをPCに差して、USBからブートします。USBブートの方法は、お持ちのPCのBIOS仕様によって手順が異なりますが、およそ次のような手順になるでしょう。
- PCを再起動してください。
- 起動時に表示される画面で、BIOSセットアップユーティリティにアクセスします。通常、F2、F10、またはDeleteキーを押すことでアクセスできます。PCのメーカーやモデルによって異なりますので、PCのマニュアルを参照してください。
- BIOSセットアップ画面で「ブート」または「起動」セクションに移動します。
- ブートデバイスの優先順位を変更します。USBメモリを最優先に設定するために、USBデバイスを一番上に移動してください。
- 設定を保存して再起動します。
Lakkaのインストール画面を表示するには
USBからの起動開始時に、テキストで次のメッセージが表示されます。
Wait for installer mode to start automatically in 5 seconds... Options ======= live: boot Lakka using this USB memory device for storage installer: permanently install lakka to HDD/SSD boot:
5秒以上経過すると自動的にインストール画面に推移します。
上の boot: の後にinstallerと入力しても同様です。
live と入力するとLakkaがライブ起動されます。
インストールを始めよう
ブルーのスクリーンを背景に、以下のような画面が表示されれば、インストール開始です。

上下矢印(↑↓)で項目の選択ができます。
[ 1 Install Lakka]が選択されている状態で[Enter]キーを押すと<Ok>をクリックしたことになります。

PCの内蔵ドライブを選択する画面です。
筆者の環境ではSSD1台のみですが、内蔵ドライブが複数台ある場合は、インストールするデバイスを指定します。容量などで判断します。
[Enter]キーで<Ok>です。

デバイスの中身がきれいさっぱり消えてなくなるが、本当にそれでよいですか?とたずねています。デフォルトは<No>なので、左矢印[←]で<Yes>を選択し、スペース・キーを押します。

最後にもう一度、デバイスの中身が消えても良いか、聞かれます。
やはり<No>が選択された状態から[←]で<Yes>にし、スペース・キーを押します。

しばらく待ちます。

上の画面が表示されたら、インストール完了です。もう一度インストーラが起動しないようUSBメモリーを抜いて[Enter]キーを押します。


再起動後、上の画面が表示されたら、Lakkaのインストールは無事成功です。
ゲームを起動してみよう

ゲームパッドを接続します。ゲームパッドが認識されると、画面の左下に数秒、上図のような表示が出ます。筆者はLogicool F310を接続しました。接続しただけで使えるようになりました。
以下の操作はゲームパッドでもキーボードでも可能です。

手始めにファミコンのゲームを起動してみたいと思います。
[Load Core]を選択。

筆者はゲームの core にNestopia UEを選択しました。

あらかじめ用意していた、ファミコンのROMが入ったSDカードをPCに差し込みます。SDカードは、/storage/romsの下に自動でマウントされます。マウントされたフォルダをスキャンすることで、遊びたいゲームを一覧化することができます。
[+]アイコン>[Scan Directory]を選択。

本稿の検証環境では上図のような形で、SDカードが認識されていました。
この中に入っているROMをスキャンします。

次に、スキャンしたゲームを選択してゲームを始めます。
[Lakkaのロゴ]>[Load Content]を選択します。
次の画面で、ゲームの一覧が表示されるので、遊びたいゲームを選択します。

ゲーム選択後に、Coreの選択画面が表示されます。筆者はそのまま、[nestopia UE]を選択しました。


ゲームを開始することができました!
さいごに
本稿では軽いゲームで検証しましたが、スペックの良いPCを使えば、重たいゲームを遊べてしまうのがLakkaを使う醍醐味かもしれません。ぜひ皆さんも試してみてください。