[MacBook]バッテリー劣化の度合いを確認するには

簡易的にバッテリーがどの程度弱っているかを調べる方法を紹介します。

バッテリーの弱り度合いを調べる考え方とは

バッテリーの容量は「放電容量」とも呼ばれ、[mAh](ミリ・アンペア・アワー)という単位が用いられます。放電容量は、新品の時から充放電を繰り返すうちに徐々に減少します。
バッテリーの弱り度合いは、バッテリーが新品時点の放電容量、すなわち最大蓄電容量と、現在の最大蓄電容量を比較することで、数値の差から目安が得られます。

新品の放電容量を確認するには

ターミナルから”ioreg”コマンドを実行することにより、新品のバッテリーの最大蓄電容量が確認できます。
下に実行例として、コマンドと実行結果を示します。複数行が表示されますが、”DesignCapacity”の値が新品の放電容量(おそらく理論値)です。実行例では7336[mAh]です。

% ioreg -c AppleSmartBattery | grep -i capacity | grep -iv bat
    | |           "AppleRawCurrentCapacity" = 5562
    | |           "AppleRawMaxCapacity" = 5562
    | |           "MaxCapacity" = 5562
    | |           "CurrentCapacity" = 5562
    | |           "DesignCapacity" = 7336
% 

実行したコマンドについて補足説明しておきます。
ioregコマンドの c オプションは、確認したいデバイス等対象のインスタンス名(上記の場合は、”AppleSmartBattery”)があらかじめわかっている場合、それを指定するためのものです。インスタンスを指定して出力を絞り込んでも、多くの情報が出てきてしまうので、grepコマンドでフィルタリングしています。grepの i オプションは、大小文字区別せず検索し、v オプションはヒットする行を除外する指示です。

現在の容量を調べるには

新品のバッテリーの容量がわかったところで、次は現在のバッテリーがどの程度電気を蓄えられるかを確認します。

[option]を押したまま[アップルメニュー]を開き、[システム情報]を選択します。

下の画面で、[ハードウェア]>[電源]を選択します。
「バッテリー情報」の「充電量情報」にある「完全充電時の情報」を確認します。下図では「5563」です。この値は、バッテリーがへたってくると値が下がっていきます。これが現在のバッテリーが充電できる実力値であるとされています。

ここで、前節の ioreg コマンドの実行結果を再掲します。
おそらく、”MaxCapacity”が現在の最大蓄電容量だと思われます。

% ioreg -c AppleSmartBattery | grep -i capacity | grep -iv bat
    | |           "AppleRawCurrentCapacity" = 5562
    | |           "AppleRawMaxCapacity" = 5562
    | |           "MaxCapacity" = 5562
    | |           "CurrentCapacity" = 5562
    | |           "DesignCapacity" = 7336
% 

上記の実行結果はバッテリーがフルの状態のものでした。今度は、バッテリーを少し消費した状態で同コマンドを実行してみます。
結果は以下のとおりです。
“CurrentCapacity”が減少していることから、この値がバッテリーの残量の目安だと考えられます。
また、”MaxCapacity”の値が少し変化していますが、上の実行結果が電源に接続された状態であったことが影響しているのかもしれません。

% ioreg -c AppleSmartBattery | grep -i capacity | grep -iv bat
    | |           "AppleRawCurrentCapacity" = 4297
    | |           "AppleRawMaxCapacity" = 5512
    | |           "MaxCapacity" = 5512
    | |           "CurrentCapacity" = 4297
    | |           "DesignCapacity" = 7336
% 

充電回数を調べるには

以前は、バッテリーの寿命は充電回数で決まると言われていたようですが、現在ではバッテリー自体とバッテリーの劣化を遅らせる充電方式の進化があるようです。なので、これも劣化を知る目安にしかなりませんが、充電回数を確認するには下のコマンドを実行します。1070が充電回数です。

% ioreg -l | grep CycleCount | grep -v Design
    | |           "CycleCount" = 1070
    | |           "IOReportLegend" = ({"IOReportChannels"=((7167869599145487988,6460407809,"BatteryCycleCount")),"IOReportGroupName"="Battery","IOReportChannelInfo"={"IOReportChannelUnit"=0}})
% 

さいごに

Mac同様、Windowsも上記のようなバッテリーに関する管理情報の取得手段があります。