RPCS3は、WindowsやLinuxで動作する、オープンソースのSony PlayStation 3エミュレーターです。
今回はWindows 11で楽しむ方法の紹介です。
動画でも紹介しています。
どんなPCで動作するか
RPCS3が動作するPCのスペックは以下の通りです。
OSとバージョン
- Windows: Windows 7 SP1、Windows 8.1、Windows 10、Windows 11
- Linux: Linux カーネル:バージョン5.4、Ubuntu 18.04 以降
- macOS: macOS Big Sur 11.6 以降
- FreeBSD: FreeBSD 12.3 以降
CPU
- AMD
x64 CPU (推奨: 6 コアと 12 スレッド、8 コア以上。Zen 2 アーキテクチャ以降、Threadripper 1000 および 2000 シリーズは推奨されません) - Intel
x64 CPU (推奨: 6 コアと 12 スレッド、8 コア以上。Intel Skylake アーキテクチャ以降)
注: AVX2 を搭載しない、4 コアおよび 8 スレッド未満の CPU は、動作が低下することが予想されます。CCX クラスターごとにコアが 2 つしかない CPU は、全体的に動作が低下すると予想されます。
GPU
- AMD
OpenGL 4.3 互換以降 (推奨: アクティブ ドライバー サポートを備えた Vulkan 互換) - AMD Evergreen アーキテクチャ
HD 5000 シリーズ以降 (推奨: AMD Polaris アーキテクチャ、RX 400 シリーズ以降) - NVIDIA
OpenGL 4.3 互換以降 (推奨: アクティブ ドライバー サポートを備えた Vulkan 互換) - NVIDIA Fermi アーキテクチャ
GTX 400 シリーズ以降 (推奨: NVIDIA Maxwell アーキテクチャ、GTX 900 シリーズ以降)
メモリ
4 GB 以上の RAM (推奨: 8 GB デュアルチャネル RAM 以上)
Visual C++ ランタイムをインストールしよう
Windows版のRPCS3は、あらかじめ「Visual C++ 再頒布可能パッケージ」をインストールしておく必要があります。このリンクからインストーラをダウンロードし、実行します。
PS3 システムソフトウェアをダウンロードしよう
まず、PS3のシステムソフトウェアをダウンロードします。
こちらのリンクから移動します。
下にスクロールした先にある、「PS3システムソフトウェアをアップデートする方法」の[パソコンを使ってアップデートする]をクリックします。
折りたたまれていた内容が展開され、[PS3アップデートをダウンロードする]ボタンが現れます。ボタンを右クリックして[名前を付けて保存]を選択し、ダウンロードを開始します。
「ダウンロード」フォルダ等に”PS3UPDAT.PUP”というファイル名で保存されるでしょう。
RPCS3エミュレータをダウンロードしよう
こちらのリンクにアクセスして、最上部にある「Download」をクリックします。
著作権侵害をしない旨のメッセージが表示されたら、[I Understand]をクリックします。
ページ上部の[Download]をクリックします。
Windows版の「Download」をクリックし、エミュレータをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルは「7z」形式の圧縮ファイルです。お持ちのPCがWindows 11で最新のバージョン「23H2」以降であれば、上のようにファイルを右クリックし、[すべて展開]を選択すれば解凍することができます。
上記以外の場合、ダウンロードしたファイルを解凍するには「7z」等の解凍ツールが必要です。7zのダウンロードはこちらのリンクから。
解凍したファイルが入っているフォルダごと、任意の場所に移動します。その際、フォルダ名をわかりやすい名前にしておきます。ここでは”rpcs3″というフォルダ名にしました。
RPCS3を起動してみよう
上記で移動したフォルダの中にある、”rpcs3″あるいは”rpcs3.exe”をダブルクリックして起動します。
上の画面が表示されたら、RPCS3の起動までは成功です。
もしも「システムエラー」の画面が表示された場合、上で述べた「Visual C++ ランタイムをインストールしよう」の作業が正しく行えていない可能性があります。再度行ってみてください。
次の画面で①「I have read the Quickstart guide」にチェックします。すると②「Continue」が押せるようになります。
③と④については、お好みで決定ください。
「Continue」で下の画面が表示されるでしょう。
RPCS3にシステムソフトウェアを読込ませよう
RPCS3のフォルダに「bios」という名称のサブフォルダを作成します。
作成した「bios」フォルダに、あらかじめダウンロードしておいたRPCS3のシステムソフトウェア”PS3UPDAT.PUP”を移動します。
RPCS3に、PS3のシステムソフトウェアを読み込ませます。
メニューの[File]>[Install Firmware]をクリックし、ダイアログボックス「Select PS3UPDAT.PUP To install」を表示させます。
①システムソフトウェアが保存されているbiosフォルダに移動します。
②PS3UPDAT.PUPをクリックします。
③「開く」をクリックします。
ファームウェアのインストール中のプログレスバーが表示され、タイトルバーに「Success!」と表示されたら[OK]。
続いて「Compiling PPU modules」というプログレスバーが表示されます。この間はずっとCPU使用率が100%になるでしょう。
プログレスバーが100%になれば自動的にダイアログが閉じて、システムソフトウェアの読み込みは完了です。
RPCS3で重要な設定とは
RPCS3のツールバーにある[Config]アイコンをクリックします。
「Settings]画面が表示されます。
①[System]タブを選択し、下図の②③④を日本語および日本に変更します。
⑤の設定はゲーム中で、ゲームパッドの[〇]ボタンを「OK」に割り当てるもののようです。まれにゲームを操作する際、[〇]ボタンに割り当てるべき機能が[×]ボタンになってしまうケースがありますが、それを回避していると思われます。
最後に[Save]をクリックします。
ゲームパッドの接続と設定
今回、検証用に用意したゲームパッドは、PS5純正品の「DualSense ワイヤレスコントローラー (CFI-ZCT1J)」と、「Logicool Gamingpad F310」です。
ツールバーの[Pads]アイコンをクリックします。
CFI-ZCT1Jの場合は、「Handlers」のプルダウンメニューから[DualSense]を選択します。おそらく、それだけで問題なく使用できるでしょう。
キー配置を好みに変更したい場合は、画面上の任意のボタンをクリックし、5秒以内にゲームパッドの物理ボタンを押すと変更できます。
次にF310の場合ですが、まず最初にコントローラの背面を確認し、スイッチが「X」の位置にあることを確認します。その後、USBポートに接続し、RPCS3の[Pads]アイコンから「Gamepad Settings」画面を起動します。
続いて「Handlers」を[Xinput]に変更すると使用可能となるでしょう。あとは、好みに応じて各ボタンの設定をすれば準備完了です。
ゲームを実行しよう
吸い出したゲームソフトのイメージからの起動
ここでいう「イメージ」をエクスプローラで見ると上図になります。
メニューバーから、[File]>[Add Games]を選択します。
上のダイアログが表示されるので、ゲームソフトが保存されているフォルダを指定します。「PS3_DISC.SFB」ファイルなどが格納されているフォルダ名を指定するということです(上に掲載した「図 ゲームのイメージ」参照)。
ISOファイルから起動するには
ISOファイルの場合、上記のようにISOファイルのあるフォルダを指定してもゲームは読み込まれません。
ISOファイルの場合は、次の手順で読み込みます。
エクスプローラでISOファイルのあるフォルダを開きます。
マウスでISOファイルを右クリックし、表示されたメニューから「マウント」をクリックします。
仮想的なDVDドライブが参照できるようになります。
あとは物理ドライブ同様、[Open]アイコンから「Select Game Folder」を開き、ゲームのフォルダを指定すれば、ゲームを始められるでしょう。
ゲームを起動するには
ゲーム一覧からゲームタイトルをダブルクリックするか、ゲームタイトルを選択した状態で[Play]アイコンをクリックします。
さいごに
上記手順で、無事ゲームを実行することができました。
ハードウェア環境は、CPUがCore(TM) i7-3770K CPU @ 3.50GHz、グラフィックボードがGeForce GTX 570と少し古いシステム構成でも、十分楽しめるレベルのゲームもありました。
ちなみに、i5-650 + GeForce GT 710でも試してみましたが、予想通り使用に耐えられませんでした。
ある程度スペックの高いPCを確保する必要はありますが、ゲームの再現度は高く、十分楽しめると思います。
皆さんも、お手持ちのゲームでお楽しみください。