本稿では、PS2のゲームエミュレータ「PCSX2」を楽しむ方法を詳しく紹介します。
PCSX2でゲームをするために必要なもの
本稿の手順に従ってゲームをするために、あらかじめ用意しておかなければならないものがあります。これらの取得方法については、本記事では紹介していません。
BIOS | PS2のゲーム機から取得したBIOS |
ゲームソフト | ゲームROMから取得したゲーム用イメージファイル。 |
PCSX2のインストールと設定
PCSX2をインストールしよう
PCSX2の公式ページから、PCSX2をダウンロードします。本稿執筆時点(23年11月25日)では、Stable Releases(安定版)よりもLatest Nightly(最新の開発版)が推奨されているので、ここでは開発版をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルは”7z”形式の圧縮ファイルなので、「7z」などで解凍します。ちなみに最新のWindows 11 23H2には7zの解凍機能が標準サポートされています。解凍したファイルはフォルダごとわかりやすい場所に移動するとよいでしょう。ここでは、”C:\Opt\Games”というフォルダを作成し、解凍済みのフォルダを移動します。
その際には、フォルダ名を短めの名称にリネームすることをお勧めします。ここでは、”pcsx2-v1.7″というフォルダ名にしました。
フォルダの中の、PCSX2の実行ファイルをダブルクリックして、起動します。
上の画面が表示されれば、ひとまず正常に起動されています。
ここから、ウイザード形式で設定を以下の順序で行います。
- 言語
- BIOSファイルの格納
- ゲームディレクトリ(フォルダ)の設定
- コントローラの設定
ここで、BIOSのイメージファイルを格納します。
まず、「BIOSディレクトリ」で①格納先を確認します。
次に、②[BIOSフォルダを開く]をクリックします。
開いたフォルダにBIOSファイルを配置します。
BIOSファイルを置いたら、③[リストを更新]をクリックします。すると画面にファイル名とBIOSのバージョンが表示されるでしょう。表示された行をクリックします。
最後に④[次へ]をクリックします。
ここでは、ゲームのROMイメージを格納するフォルダを指定します。
[追加]をクリックし、表示された画面でゲームが格納されているフォルダを指定します。
フォルダ指定後、下のように「ディレクトリを再帰的にスキャンしますか?」と聞かれます。フォルダ階層の下のほうにあるゲームも検索するかを確認しています。便利なので、筆者は[はい]を選択しています。
フォルダが追加されたら、[次へ]をクリックします。
ここでは、コントローラの設定を行います。PS5純正品のDualSense ワイヤレスコントローラー (CFI-ZCT1J)を接続しました。
①コントローラの種類が[DualShock 2]であることを確認します。
②[自動マッピング]をクリックし、③表示されるメニューから[SDL-0(DualSence Wireless Controller)]を選択します。
④コントローラのマッピング先が[規定(キーボード)]から[SDL-0]に変更されます。
⑤[次へ]をクリックします。
セットアップ完了です。
[完了]をクリックします。
上図のように、ゲームの一覧が表示されます。
グリッドアイコンをクリックすると、下のような表示形式に変更されます。ゲームごとに、カバー画像を張り付けることができます。
グラフィックスの設定をするには
グラフィックス関連の設定を行うには、[設定]>[グラフィック]をクリックします。
ここは、PCスペックに応じた固有の設定を行うところです。
本稿での検証用PCは、GPU NVIDIA GeForce GTX 570を搭載しています。そこで、以下の設定を施しました。
① [グラフィック]が選択されていることを確認します。
②「レンダラー」:Direct3D 12(Hardware)
③「アダプター」:NVIDIA GeForce GTX 570
④[レンダリング]タブを選択します。
⑤「内部解像度」:3xNative(~1080p)
⑥ [閉じる]をクリックします。
上記⑤はゲームを動かしてみて、もし重かったら別の選択肢を検討しますが、まずは、この設定で試してみます。
上記以外はいったん、デフォルトのままとしました。
ゲームパッドを設定するには
ゲームパッドの設定を行います。
[設定]>[コントローラー]から設定を開きます。
左ペインのタブから認識されているゲームパッド(ここでは「DualShock 2」)を選択し、画面のボタンとゲームパッドのボタンを一つずつ対応付けていきます。具体的には、画面のL1ボタンをクリックし、ゲームパッドのL1ボタンを押す、という具合です。
ゲームを始めてみよう
ゲームを始める方法は、PCSX2のゲーム一覧をダブルクリックするだけです。
ゲームを起動することができました。
チートコードを活用するには
チートコード(改造コード)とは、ゲームを有利に進めるためにゲーム(のデータ)を書き換える裏技のようなものです。HPを無限にするといったことが可能になります。チートコードはWEBで検索し、エミュレータに読み込ませる必要があります。
ゲームの名称+”チート”などの検索ワードで検索すると、チートコードが見つかることがあります。これらのチートコードは「PS2PARコード」と呼ばれているものがほとんどで、それをPCSX2に読ませるためには変換する必要があります。
変換を行うには、こちらのサイトなどを活用するとよいでしょう。
変換後のチートコードを配置する方法とは
チートコードの格納場所を確認します。
PCSX2の[設定]>[フォルダー]をクリックして設定画面を開きます。
上の画面の「チート ディレクトリ」にあるフォルダがチートコードを置く場所です。[開く]ボタンでフォルダを開いておきます。
①PCSX2のゲーム一覧をリスト表示にします。
②一覧のゲームの中から、チートを適用したいゲームを見つけ、「コード」カラムの文字列をメモします。今回の対象を「BioHazard 4」とすると、”SLPM-66213″となります。
ゲームを起動します。
起動後に、[F1]キーを押すと画面のようにステートセーブが行われます。
次にステートセーブのデータが保存されたフォルダを確認します。
[設定]>[フォルダー]の画面の、「セーブステート ディレクトリ」がその場所です。
上図の、括弧でくくられた文字列をメモします。例えば、
“SLPM-66213 (60FA8C69).01.p2s”
というファイル名だったとすると、括弧の中の”60FA8C69″の部分をメモします。
次に、チートコードを格納するフォルダに移り、メモした文字列を使用して、”60FA8C69.txt”というファイルを作成します。
この時点ではファイルの中身が空なので、チートコードの変換後のコードをコピペして書き込みます。
最後に、テキストファイルのサフィックス(TXT)を”pnach”に変更します。
“60FA8C69.txt”が、”60FA8C69.pnach”というファイル名になりました。
チートを有効にしよう
[設定]>[エミュレーション]から設定を開きます。
[チートを有効化]にチェックを入れます。これでリアルタイムにチートが有効になります。
ゲームを起動中の場合は上図のように、チートが有効になったことを伝えるメッセージが表示されます。
チートが有効になったことにより、リッチで最強の主人公がプレイヤーのパートナーになりました。
おわりに
PCSX2のUIがバージョン1.7では大きく変更されました。DuckStationに統一される方向なのでしょうか?
DuckStationのように、チートコードが自動でダウンロードされるようになると非常に便利なのですが、はたして?