HDD、メモリ、電源ケーブルの無いジャンクPCに手を加え、Windows10が動作するマシンに仕立ててみようと思います。
Dell™ Inspiron™ 580sをジャンクで購入
ジャンクPCの販売店で見つけた、「現状渡し・保証なし」のDell™ Inspiron™ 580sです。価格は2,000円でした。
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状態は以下の通りでした。
●CPU core i5-650 3.20GHz
●HDD なし
●メモリ なし(最大8GB仕様)
●グラフィック HD Graphics
●DVDドライブ 付き
●電源ケーブル なし
●OS なし。元はWindows7が動作しており、7のプロダクト・キーのシールが貼ってありました。
●付属品 なし
とりあえず、電源ケーブルを110円で購入しました。本体2,000円は少し安すぎます。はたして、電源は入るのでしょうか。
完成のイメージ
最近、PCが1台壊れたので、SSD(120GB)とメモリ(12GB)を流用することにします。
そのうえで、Windows10を新規インストールしてみようと思います。Windows10のライセンスは、Windows7のプロダクト・キーから流用する裏技があるとウワサがあるので、試してみます。ある意味、Windows10込みで2,000円は安い、という下心ありありなのでした。
PCのメモリ仕様は「最大8GB」ですが、BIOSでそれ以上認識するケースがあるため、12GBが認識できるか、試してみます。
必要な道具
●ドライバー(ネジを回すやつです)
●USB 8GB以上のもの(できればUSB3.Xが快適かも)
●Windows10のPC(USBインストーラを作成します)
ハードの追加と検証結果
電源は無事入りました。
メモリは8GB仕様ですが、12GB認識しました。
SSDも認識したので、めでたくWindows10のインストールに進むことができます。
ここで少し気になるのは、SSDとメモリを交換していることです。大幅なハードウェア変更をすると、Windowsが認証してくれなくなる、と聞きます。
Windows10をインストールしたものの、ライセンス認証ができない場合は、認証しないまま運用するという荒業にでることも「あり」かもしれません。これについては、最後に少し触れようと思います。
Windows7のプロダクト・キーでWindows10をインストールする方法とは
USBインストーラを作成しよう
別に用意したPCからツールをダウンロードします。
こちらのリンクをクリックして、以下のページの[ツールを今すぐダウンロード]から、ツールをダウンロードします。
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ダウンロードしたツールは、「MediaCreationTool<バージョン名>.exe」といった名称でしょう。ダブルクリックして実行します。以下の画面で[同意する]をクリックします。
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Inspiron 580sは64ビット機です。元動作していたWindows7は64ビット版のようでした。
「アーキテクチャ」が[64ビット(x64)]となっていることを確認し、[次へ]をクリックします。
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ここで、USBをPCに挿入します。少なくとも8GBのUSBが必要です。DVDによるインストールも選択可能ですが、インストール作業に多く時間を要するため、USBがおすすめです。
[USBフラッシュドライブ]が選択されていることを確認し、[次へ]をクリックします。
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USBが正しく選択されていることを確認し、[次へ]。
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しばらく待ちます。
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USBへのWindows10インストーラの書き込みが完了しました。
[完了]をクリックして、インストールに進みます。
Windows10をインストールしよう
USBから起動しよう
USBインストーラから起動し、Windows10をインストールします。ここで、一般的にUSBから起動する方法には、次の方法があります。
- BIOSから起動デバイスの優先順位を変更する
580sでは、システム起動時に”F2″を押下してBIOSセットアップ画面を表示させる。 - システム起動時にブートデバイスを選択するメニューを表示させる
580sでは、システム起動時に”F12″を押下して”Boot Device Configration”画面を表示させ、USBドライブを選択する。
2の方法が簡単でしょう。580sでは”Boot Device Configration”画面に「USB:<メーカー名>」等が表示されるので、選択します。
Windows10のライセンス認証はできるのか?
USBから起動すると、下の画面が表示されるでしょう。必要に応じて言語やキーボードを設定し、[次へ]をクリックします。
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いよいよここで、ライセンス認証を行います。今回はWindows10のインストールを行っていますが、現在保有しているプロダクト・キーはWindows7のものです。Inspiron 580sのケーストップに張られた(いわゆるCOA)ラベルに印刷されているプロダクト キー を入力してみます。
結果、すんなりと[次へ]をクリックして次の画面に進めました。
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ここからは画面の手順にしたがってインストール
上記プロダクト・キーが印刷されたCOAラベルには「Windows7 Home Prem」と印刷されています。そのため、「Windows 10 Pro」はインストールされません。
「Wndows 10 Home」が自動的に選択されているはずです。
ライセンス条項に[同意します]をチェックし、[次へ]をクリックします。
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アップグレードではなく、新規インストールなので、[カスタム]の方をクリックします。
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以前に使用されていたSSDなどでは、必要に応じて領域を削除したりして、インストールする領域を確保します。領域の確保が完了したら[次へ]をクリックします。
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HDMIのスピーカー付きモニターが接続されている場合などは、突然、コルタナがしゃべりだすので驚かないでください。
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Microsoftはローカル環境のサインインに、過剰に複雑なパスワードを使用しなくて済むように、PIN(暗証番号)でのサインインを推奨しているようです。
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お好みに応じて設定してみてください。私は[スキップ]等を選択しました。
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無事、インストールが完了しました。このとおり、元Windows7のPCをWindows10にすることができました。
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ライセンス認証「しない」という選択肢は「あり」か?
以前のWindowsは、ライセンス認証しないで一定期間を経過すると、実質「使えない」状態になったと思います。しかしながら、現在のWindows10では、一部の制約はあるものの継続的に使用可能です。その制約についても、「画面の隅にライセンスに関する表示がある」「個人設定ができない」といったもので、大きな制約ではないといえるかもしれません。
上記作業でもし、ライセンス認証できなければ、インストールを継続し、ライセンスなしで実験機にするという選択肢を考えていたのでした。もちろん、まったく推奨することはできません。知識として知っていれば、役立つ局面もありえる、というレベルでしょうか。
今回の実験でわかったこと
OSなしのジャンクPCに、プロダクト・キーのシールが貼ってあれば、Windows7のプロダクト・キーでもWindows10をインストールすることができます。
ポイントは、メモリやHDDといった主要部品を交換しても、ライセンス認証が通る、ということでしょう。
ここで奮発して、SSDへのインストールとメモリの増設を行えば、比較的快適なPCを構築可能です。実際少しPC使ってみましたが、起動時間はサインインできるようになるまでに20秒ほどでした。WEBの閲覧、YouTubeの鑑賞などまったくストレスを感じません。グラボが必要な作業(ビデオ編集とか)でなければ、快適といえるでしょう。
120GBのSSDは少なめなので、余っていたHDDを追加ました。「ドキュメント」や「ダウンロード」などのホームフォルダはHDDドライブに割り当てています。それでも十分高速です。
過去の実験でわかっていること
無償でWindows10に「アップグレード」できるか
2021年2月現在、Windows7がプリインストールされているPCがあれば、今でもWindows10にアップグレードが可能です。その場合はライセンス・キーのシールは必要ありません。HDDにインストールされている場合は、SSDにコピーしてアップグレードするという方法もあります。
Windows8.1マシンも無償でWindows10をインストールできるか
ライセンス・キーがあれば、Windows10の新規インストールができます。Windows8.1プリインストールマシンがあれば、アップグレードができます。
わかっていないこと
Windows7や8.1が32ビット版の場合、アップグレードできるのは同じ32ビット版のはずです。32ビット版のプロダクト・キーがある場合、Windows10 64ビット版の新規インストールが32ビット版のプロダクト・キーで可能かどうかは検証していません。おそらく無理と推測しています。
まとめ
今回、2,000円+αのジャンクPCを、比較的快適なWindows10 PCにすることができました。サポート切れのWindows7マシンを処分する前に、ぜひ本稿を参考にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
みなさんが良きPCライフを送れますように!