ITストラテジスト:2015年 午後I 問2

食品メーカの業務改善

IPAの平成27年度 秋季試験 午後Ⅰ問題リンク

残念な私の解答

設問残念な解答備考
設問1(1)輸送中の製品の温度管理規準を遵守できる業者かどうか
(2)製品のロットごとの出荷先をトレースできるため製造品質の保証が可能となった
設問2(1)営業部員が製品の生産計画を確認できるため顧客への納期の回答が迅速に出来る
(2)地域主要顧客が行う特売などのイベントの企画情報の確認
設問3(1)1回の発注数量を多くすることにより仕入れ価格の交渉が有利になるから
(2)製造ロット番号、納入先、日付、製品名、数量、顧客名の情報

IPAの解答例

設問IPAの解答例備考
設問1(1)輸送中の製品の温度管理が可能なこと
(2)在庫の不足がなくなるので、納入日数の指標が提供できる。
設問2(1)営業部員が生産計画情報をいつでも確認できるので、納期の回答が早くなる。
(2)地域主要顧客が行う特売などのイベントの企画情報の確認
設問3(1)本社でまとめて発注するので、仕入れ価格の削減を交渉する。
(2)他社の製品に関わる顧客への出荷情報と製造ロット番号

解答の検討

設問1 (1)

物流業務の改善における、輸送業者の選定に関して追加する基準を解答する。冒頭文の2段落目に「“食の安全”という観点から、… 顧客からは、工場、製品倉庫、倉庫での、保管時・輸送時の品質を保障する温度管理への要求がより厳しくなっている。」と背景が書かれている。そして、〔物流業務の現状〕に「輸送中の製品の温度管理は輸送業者に任せているが、温度管理が出来ていない業者もある。」と記述されている。
業者による、「 輸送中の製品の温度管理が可能なこと 」が正解。

設問1 (2)

物流業務の改善によって顧客の要望に対して可能となった点について解答する問題。トレーサビリティ確保による製品品質の保証を解答とするか迷う。
〔物流業務の現状〕に「倉庫の在庫を合計すれば…余裕がある。…補充を依頼するときは、顧客への納入日を遅らせるように調整。発注から納入までの所要日数の変動が大きく、顧客から納入日数の指標を提供してほしいという要望がある。」と記述されている。ここで、複数の倉庫から1箇所の物流センタで倉庫を一括管理するように変更することによって倉庫間の製品の補充をなくせると考えられる。そして、発注から納入までの所要日数の変動を抑止できるので、納入日数の指標を提示することが可能となる。「 在庫の不足がなくなるので、納入日数の指標が提供できる。」が正解。

設問2 (1)

計画システムと販売システムを接続すると顧客の不満をどのように解決できるか。〔営業業務の概要と現状〕に顧客からは納期について早期の解答が求められるが、営業部員は生産計画の状況を把握していないので、回答が遅くなり顧客から不満を受ける、とある。営業部員が生産計画を把握できれば解決できると考えられる。〔計画業務の現状〕では、「販売管理システムに入力した顧客ごとの受注情報に対応して、生産計画の予定と実績が分かるように情報を管理している。計画システムと販売管理システムは接続していない。」とあるので、 計画システムと販売管理システムを接続すれば、営業部員が計画システムの情報を確認できると考えられる。その結果、迅速な顧客への納期回答が可能となる。
「営業部員が生産計画情報をいつでも確認できるので、納期の回答が早くなる。」が正解。

設問2 (2)

営業業務の改善によって、支社・営業所の営業部員が確認すべき情報を答える問題。
〔営業業務の概要と現状〕に営業部員は「特売などのイベントの企画情報の確認が不足している。」との記述がある。また、〔計画業務の現状〕に「イベントなどで大口の注文が急にあると、生産計画の変更が間に合わず、受注できていない。」とある。イベントの企画情報をキャッチアップして生産計画に反映できれば、機会損失を防止できると考えられる。ここでも、計画システムと販売システムが接続されていることが前提となる。「地域主要顧客が行う特売などのイベントの企画情報」が正解。

設問3 (1)

他社製品の取り扱いの見直しによる利益改善の施策について問う問題。
〔他社製品の取り扱いの見直し〕では、「他社製品の発注は、営業所ではなく、本社の営業部でまとめて行う。」とある。本社の営業部が発注をまとめて行うことによって価格交渉の優位性が高まると考えられる。
「本社でまとめて発注するので、仕入れ価格の削減を交渉する。」が正解。

設問3 (2)

物流部が他社に提供すべき情報を問う問題。
〔他社製品の取扱いの見直し〕に「他社はトレーサビリティの管理をするために、物流部に対して必要な情報を提供するように要求した。」とあるので、トレーサビリティに関する情報を提供することが分かる。〔物流業務の改善検討〕では「トレーサビリティ管理では、出荷情報と出荷した製品の製品ロット番号を関連付けて管理する」とある。「 他社の製品に関わる顧客への出荷情報と製造ロット番号 」が正解。